グループ内デザインコンペ
「TBCA2026」受賞作品のご紹介

「TBCA(Takara Business Creation Awards)」とは、タカラスペースデザイン株式会社所属の全国のデザイナーが設計したサロンやクリニックの中から、特に優れた作品を選出するグループ内デザインコンペ。日本を代表するデザイナーや業界ジャーナルも審査に加わり、業界の動向を捉え、今後のコンセプトを探求していく場にもなっています。
7月に開催された第36回「TBCA2026」最終審査会では、著名な建築家・デザイナーを審査員に迎え、作品に込められた想いや価値観について活発な議論が交わされました。
その中から選ばれたサロン部門 設計デザイン賞の受賞作品をご紹介します。
外部審査員
・長岡 勉氏(POINT)
・小嶋 伸也氏(小大建築設計事務所)
・田中 亮平氏(G ARCHITECTS STUDIO)
<ファシリテーター>
・塩田 健一氏(株式会社商店建築社 月刊「商店建築」編集長)
サロン部門 設計デザイン賞 金賞
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salon L
デザイナー:藤井 智大
6坪・1席のみの空間で「安らぎ」「静けさ」「上質で特別な時間」を追求したプライベートサロンです。手作業のぬくもりを感じられる左官仕上げや、木の素材感、自然光を活かした設計、温かみのある照明によって、心地よい空間を創出。コンパクトながら壁によって機能を分散し、それぞれの場所に異なる役割と居心地を与えています。左官壁とミラーに囲まれたセット面では、自分自身と向き合う特別な時間を提供します。
審査員からは、「色の重なりが美しい」「隙間の使い方が秀逸」「壁や家具・光の配置などが計算し尽くされていて、狭い空間ながら奥行きを感じる」といった高い評価を得ました。
サロン部門 設計デザイン賞 銀賞
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Ii
デザイナー:小林 昌平
数多くの指名顧客を抱える美容師による独立開業案件。
個性豊かなヘアデザインが生み出される場として、アトリエのようなミニマムな空間を目指しました。既存テナントの構造的な特徴を活かし、空間を作り込み過ぎることなく、素材や要素を丁寧に加えながらデザインを構築しました。
空間内には、カラーコーンを型にモルタルで成形した脚を用いたオリジナル什器を配置。一癖ありつつも空間全体に溶け込み、一つひとつが作品のような存在感を放っています。 -
MACHIDA
デザイナー:湯口 巌
賑わう商店街の一角に位置し、父から子への世代継承に合わせて改装された美容室。
「確かな技術・特別な時間・動かないこと」をテーマに、メインマテリアルには石を採用。重さや不揃いといった石の特性に着目し、一つひとつ積み重ねることで生まれる存在感を表現しました。
また、「神殿」をモチーフとした秩序ある空間構成により、日常から切り離された特別な時間を演出。長く受け継がれる価値観と新たな世代の感性が調和した空間となっています。 -
muii
デザイナー:湯口 巌
美容室の支店として計画されたネイル&フェイシャルサロンです。「素の美しさに還る」「忙しい日常から離れる静かなひととき」をテーマに、メインマテリアルには土を採用。床のジュートやチーク材、石などの自然素材と組み合わせることで、落ち着きと温もりを感じられる空間を実現しました。
また、中庭と回廊を中心とした放射状のレイアウトを採用し、移動の時間までも心地よい体験となるよう設計。装飾ではなく、佇まいや情景から空間を捉えることで、サロンの世界観やブランドコンセプトを体現し、ゆったりとした時間と飾らない居心地の良さを提供しています。 -
TAI hair & spa
デザイナー:林 優佑
美容室の新規開業案件。改装を重ねてきた古民家に新たな価値を加えたサロンづくりに取り組みました。古民家特有の質感や雰囲気を活かしながら、既存の間取りを引用したゾーニングにより、1階には開放的なセット面とシャンプーブース、2階には個室のスパルームを配置。さらに、床組の一部を解体して吹き抜けを設けるなど、建物の魅力を引き出しながらサロンとしての機能性を実現しました。
また、土壁や経年変化の痕跡を活かした素材使いに加え、可動式のミラーや天板などを採用することで柔軟な空間利用にも対応。古民家が積み重ねてきた時間を継承しながら、新たな価値を創出し、地域に溶け込んでいく空間を目指しました。
サロン部門 設計デザイン賞 審査員特別賞
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<商店建築賞>OAK STAND
デザイナー:小林 昌平
サロン専売化粧品の販売を主軸とし、美容師がプロの視点でカウンセリングや頭皮診断を行いながら商品を提案する新しいスタイルの美容室です。「スタンディングバーのように気軽に立ち寄れる空間」をコンセプトに、物販スペース、受付カウンター、施術ブースを段階的に配置し、自然な導線の中でサービスと商品提案を行える空間を実現しました。また、多様なブランドの化粧品を取り扱うことから、商品を魅力的に見せるディスプレイ計画を重視。さまざまな色を受け止める背景としてダークブラウンを採用し、それぞれの個性を引き立てながら調和する空間を創出しています。 -
<小大建築設計事務所賞>un chalet
デザイナー:林 優佑
街道沿いの種苗店跡を改修した新規開業案件。シャッターが下りた店舗が並ぶ通りに、再び開かれ、地域に根ざした居場所となることを目指しました。道路と平行に設けた壁によって空間を二分し、シャンプーブースやバックヤードを壁の裏側に配置することでプライバシーを確保。一方で、セット面は道路からの視認性を高め、街とのつながりを感じられる構成としています。角材によるリズミカルな意匠が空間構成を際立たせるとともに、全面をベニヤ仕上げとすることで、温かみのある空間を実現しました。 -
<G ARCHITECTS STUDIO賞>room.shinsaibashi
大阪・心斎橋に計画された、個室型美容室の支店出店案件。かつて長堀川に架かっていた「心斎橋」の歴史に着目し、その記憶を空間に重ね合わせることで、地域性を感じられるデザインを目指しました。60坪に6席というゆとりある空間の中で、お客様は待合から通路を通り、それぞれの個室へと向かいます。個室の手前には水辺を模した空間を設け、小さな橋を渡って入室する構成とすることで、施術への期待感と特別な体験を演出しています。
また、個室入口に設けた大きな列柱は、明治以降の心斎橋エリアに建てられた近代建築の柱をモチーフにデザイン。橋のモチーフと組み合わせることで、連続する個室空間に変化と物語性を与えています。
また、作品ごとに活発な議論が交わされ、「個性豊かなデザイナーが多く在籍しており、一つひとつの提案に独自の視点や考え方が感じられた」「デザイナー同士が切磋琢磨しながらデザインに向き合う姿勢や情熱に感動した」といった声も聞かれました。