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グループ内デザインコンペ

「TBCA2024」受賞作品のご紹介



「TBCA(Takara Business Creation Awards)」とは、タカラスペースデザイン株式会社所属の全国のデザイナーが設計したサロンやクリニックの中から、特に優れた作品を選出するグループ内デザインコンペ。日本を代表するデザイナーや業界ジャーナルも審査に加わり、業界の動向を捉え、今後のコンセプトを探求していく場にもなっています。

7月に行われた第34回「TBCA2024」最終審査会では、著名な外部審査員をお招きし、白熱したディスカッションの末、各賞が決定!
サロン部門 設計デザイン賞の受賞作品をご紹介します。

外部審査員

・二俣 公一氏
(ケース・リアル株式会社/KOICHI FUTATSUMATA STUDIO 及び 神戸芸術工科大学客員教授)
・荒尾 宗平氏、荒尾 澄子氏
(SIDES CORE)
・中本 尋之氏
(FATHOM株式会社)

<ファシリテーター>
・塩田 健一氏
(株式会社商店建築社 月刊商店建築編集部 編集長)

サロン部門 設計デザイン賞 金賞

  • TEAL barber

    TEAL barber

    デザイナー:湯口 巌

    サロン部門 設計デザイン賞 金賞に選出されたのは「TEAL barber」。築50年のマンションの1階にある、1席のみのメンズオンリーサロン。クライアントから提示された写真や、「ゆったりした時間」「飾らず落ち着く居心地の良さ」などのキーワードからオープンエアが感じられる軒下やピロティといった屋外空間をイメージし、巨大な壁や梁、土壁や古板など荒々しく外を感じさせる構造や素材で空間を構成。

    また、1席のあり方にフォーカス。席を囲むように段差や壁を配置し、開放感や広がりと同時に、落ち着きや安心を感じられる空間をデザインした。

    審査員からは、「空間に対する理解力が非常に高く、気持ちの良い空間」「テクニックと感性で総合的にオーナーの想いを具現化できている」「素材はもちろん、余白や陰影の使い方が秀逸」などと評価された。

サロン部門 設計デザイン賞 銀賞

  • tukka

    tukka

    デザイナー:林 優佑

    住宅街にある1席のみのひとりサロン。
    非日常空間を意識し、入り口からセット面へのアプローチにフォーカス。建物の構造上存在する幅2mの細長い空間にカウンターを配置し、受付・店販・展示スペースとしての機能を設けた。この空間の天井を下げ、照明を入れることで「光のトンネル」とし、ゲストはここをくぐることで奥のプライベート空間へと気持ちを切り替えながら進んでいくことができる。白く抽象的な「トンネル」とは対照的に、セット面やシャンプースペースには木目を使用し、温かみのある空間とした。

  • Arete

    Arete

    デザイナー:湯口 巌

    ご夫婦による小さな美容室。それぞれがスタイリストで顧客を持っていることから、2席が独立しつつも、一体感のある空間が求められた。そこで、スケルトンの空間に東屋を配置。その中で2席をミラーではっきりと隔て、「2つで1つ」というサロンコンセプトを表現した。また、建物内に東屋を配置した入れ籠状の構成を取る事で、囲われつつも周囲を見渡すことができ、落ち着きと拡がりの両立を実現。高床と光屋根が、席での非日常感・特別感を演出している。

  • Private salon u

    Private salon u

    デザイナー:松原 このみ・小林 昌平

    1席のみのプライベートサロン。
    窓から漏れる光から着想を得て、自然光をデザインに取り込むことにした。セット面の壁を空間に対して斜めに配置し、壁面を自然光がなめる(横から光があたる)ように計画。壁はアールにすることで、光のグラデーションを楽しめるようにした。大きな梁を天井内で処理し、全体の天井が低くならないよう、セット面の上のみに大きな丸い折り上げ天井を造作し、空間の広がりを意識しデザインした。

  • LAMIN

    LAMIN

    デザイナー:湯口 巌・青木 拓己

    都内と千葉県内に複数店舗を展開するサロンの支店。美容室らしさにとらわれず、かつ普遍性を持つデザインが求められた。機能面としては、セット面を3列に分けて回遊動線を確保。1列はメイクにも対応し、スクリーンで仕切ると着付けや練習ができる空間に。残る2列は入社式などのイベントにも対応でき、さらに鏡の効果による拡がりを加えた。細部では、梁の両脇に設けた凹みにライン照明を隠し、屋根の隙間から漏れ入る光として表現。陰影と質感、見え隠れ、多様な場、ほど良い一体感などの視点からトーンを整え、落ち着きや品が感じれられる居心地の良い空間をデザインした。

サロン部門 設計デザイン賞 特別賞

  • kalanchoe

    kalanchoe

    デザイナー:湯口 巌

    繁華街の裏路地にある女性スタイリスト1人の小さなサロン。
    品のある空間、美容室らしさの排除、拡がり、狭さゆえの堅牢性とメンテナンス性が求められた。店名の「カランコエ」の意味である「たくさんの小さな思い出」をきっかけとして、小さな単位の集合体からなる空間を提案。また、石積みの落ち着き感と安心感を取り入れた。
    柱や床、家具などに共通の素材やディテールを取り入れることでまとまりをもった空間に仕上げ、その上で吹き抜けなどのダイナミックな要素で非日常感を演出した。

  • imaii k-aura

    imaii k-aura

    デザイナー:堀川 塁

    長い間業界を牽引してきた「imaii」ブランド4店舗目となるサロン。
    imaiiサロンの歴史から継承されてきた「粋で上品」という普遍的なブランド価値を体現する空間が求められた。
    そこで、目線を遮るものを極力排除し、シームレスな空間を提案。都会の喧騒を忘れさせる、落ち着いた明るい隠れ家のような空間を目指した。
    色気のある左官の自然素材と、ステンレスの光沢ある金属の上品さを組み合わせながら、1つ1つの要素を丁寧にデザインすることで、他のサロンには無い洗練された空間に仕上げた。

総評として、審査員からは「魅力的なプランばかりで、デザイナーのプレゼンはもちろんその後のディスカッションも含め、すべての言葉が学びになった。」「ディテールや素材など、気持ちよさを感じるデザインがたくさんあった」「予算や条件など多くの制約がある中で、それを飛び越えて空間体験を豊かにすることができるデザインが受賞に繋がっている。そんな作品をこれからもどんどん作っていってほしい」などというコメントがありました。

このコンペの受賞作品やエントリー作品は、タカラベルモントのホームページの他、ショールームや展示会・営業ツール等でご紹介していきます。

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