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グループ内デザインコンペ

「TBCA2025」受賞作品のご紹介



「TBCA(Takara Business Creation Awards)」とは、タカラスペースデザイン株式会社所属の全国のデザイナーが設計したサロンやクリニックの中から、特に優れた作品を選出するグループ内デザインコンペ。日本を代表するデザイナーや業界ジャーナルも審査に加わり、業界の動向を捉え、今後のコンセプトを探求していく場にもなっています。

7月に行われた第35回「TBCA2025」最終審査会では、著名な外部審査員をお招きし、白熱したディスカッションの末、各賞が決定!
サロン部門 設計デザイン賞の受賞作品をご紹介します。

外部審査員

・柳原 照弘氏
(TERUHIRO YANAGIHARA STUDIO)
・畑 友洋氏
(畑友洋建築設計事務所)
・石丸 耕平氏
(株式会社ブラーリー)

<ファシリテーター>
・塩田 健一氏
(株式会社商店建築社 月刊商店建築編集部 編集長)

サロン部門 設計デザイン賞 金賞

  • Rapss hair design

    Rapss hair design

    デザイナー:林 優佑

    サロン部門 設計デザイン賞 金賞に選出されたのは「Rapss hair design」。事務所仕様の鉄骨造ビル2階に計画された、コンパクトなプライベートサロン。柱や梁が露出し、天井裏に設備を収められない難しい条件の中で、空間要素を整理し、機能性と心地よさを両立させました。壁に厚みを持たせて設備を納めつつ、ディスプレイスペースも確保。壁の厚みにより、洗練されたプライベート空間としての重厚感を演出しました。アーチ天井で梁を隠しながら奥行きと高さを出し、圧迫感のない空間に。ラワン合板やアイボリーの塗装、赤茶の床材により、和の趣を感じる落ち着いた空間に仕上げています。

    審査員からは、「リピートしたくなる空間。居心地が良さそう」「壁の厚みをうまく活かしている」「重厚感と非日常が感じられる特別な空間」などと評価されました。

サロン部門 設計デザイン賞 銀賞

  • neiro

    neiro

    デザイナー:林 優佑

    元新聞販売所の古民家をプライベートサロンにリノベーション。木造長屋の構造を見せつつ、どこまで空間を更新するか考えた結果、躯体の状態を考え「形」のみを取り出すこととした。既存の柱・梁・天井・そして土壁の一部を露出させ、木軸の不揃いな部分を浮かび上がらせることで、空間の時間経過を表現している。また、セット面部分の新規壁はモルタル、既存階段はあえて素地として、空間全体で「新旧」をつなぐ役割を果たしている。既存と新規のバランスを追求し、どちらかに偏らないようなニュートラルな空間を目指した。

  • Giardino

    Giardino

    デザイナー:湯口 巌

    女性技術者が経営する美容室。家族との時間と仕事をともに充実させるべく、自宅にサロンを併設。美容室の空間が保健所規定の美容所最低面積に足りていなかったため、不足分を庭に増築した。増築部は引き戸を開け放つことができ、サロンとしてのみではなく、庭として家族でも使用できる空間とした。
    またサスティナブルの観点から建築解体で出た廃材を引き取り再利用。数十年を経た廃材の表情がサロンに落ち着きや特別感などの雰囲気を添えている。

  • Nirsam hair spa mind

    Nirsam hair spa mind

    デザイナー:中村 まい

    五感を刺激する寛ぎ空間を具現化。オーナーが雑誌で見つけた丸太のカウンターに強く心を奪われたことをきっかけに、五感を刺激するアイテムで空間づくりをスタート。樹齢60~80年の赤松の古材に巡り合い、滋賀から取り寄せた丸太を中心に空間づくりがスタート。セットミラーには丸太の断面形状の形を採用。光・影・抜けを意識し、美術館のように必要設備やオブジェを配置していった。自分が体感した五感の刺激を隅々まで詰め込んだ最上級の空間となった。

  • toiro

    toiro

    デザイナー:林 優佑

    間口が広いテナントにおいて、「プライベート感の演出」と「視線の抜け感」の両立が求められた。一見相反する2つの条件であるが、段差・床のレベル差や幕状のものを取り入れることで外部と内部をゆるく区分し、プライベート感と視線の抜け感を両立。セット面は床を三段上げることで「舞台」のように演出することとした。段差をつけることで、お客さまにセット面へ向かう期待感をもたせている。 また、その途中に金属メッシュ製の幕を吊り下げることで、程よい透過感と距離感を持たせている。

サロン部門 設計デザイン賞 特別賞

  • NUMBER NINE

    NUMBER NINE

    デザイナー:田中 大地・江口 一征

    素材の重厚さや繊細さをテーマに、厳選したマテリアルを用いて余計な手を加えずシンプルに表現。天井は開放感と無機質な雰囲気を持たせるため、スケルトン天井を採用。空調、換気ダクトの配管も無造作になりすぎないよう気を配りながら施工した。家具や柱にはステンレス鏡面仕上とミラーを使い分けることで、空間に過剰な重さを与えず、洗練された印象を作り出した。また、視覚的にも空間が広がり、軽やかになるよう提案した。

総評として、審査員からは「デザインを見るだけで理美容師とお客様との関係性が想像できる空間が多かった。」「自分の中には無い新たな視点がたくさんあり、非常に良い学びになった。」「受賞作品には人の動きやオーナーの人柄が見えてくるものが多く、デザイナーの皆さんが日々の仕事を丁寧にされているのが伝わってきた。」などというコメントがありました。

このコンペの受賞作品やエントリー作品は、タカラベルモントのホームページの他、ショールームや展示会・営業ツール等でご紹介していきます。

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