case11
カウンセリングの深掘りから、次回の来店予約まで。お客さまとのコミュニケーションが自然に深まるECILA活用術
お一人で20年間サロンを営み、お客さまのために新たな一歩を踏み出した屋木昌美さんにお話を伺いました

屋木 昌美 さん
en cachette /オーナー
富山県高岡市でサロンを営み、2025年に開業20周年を迎える。「en cachette」という店名は、フランス語で“隠れ家”という意味。ご自宅の敷地で一人サロンをひらき、仕事と子育てを両立しながら、一人ひとりのお客さまと深く、長く向き合う姿勢を大切にしている。
一生涯かけてお客さまに寄り添える、美容師という仕事の素晴らしさ
「その方は、お客さまとの接し方がとても親密で、何十年も家族ぐるみで通い続けているお客さまもいました。一生涯をかけて一人ひとりと関わってこられたその姿を見て、自分ももう一度美容師に戻り、お客さまに長く寄り添っていきたいと考えたんです。」
2005年、屋木さんは自宅の敷地にサロンを構え、地域のお客さまとの関係を築き上げてきました。開業から20周年を迎えた今も、屋木さんは「お客さまに長く寄り添いたい」という初心を忘れず、一人ひとりを大切にする姿勢を持ち続けています。
「私にとって一番怖いのは、お客さまを失うこと。仕上がりに満足していただけているだろうかと不安で眠れなくなる日もあるし、長く通ってくださっているお客さまを飽きさせないために、4回に一度は必ず新しい提案をするように心がけてきました。」
そんな屋木さんが、この先もお客さまに寄り添い続けていくために導入を決めたのが、ECILAでした。
カウンセリングの徹底と、生産性の向上を、両立させるには?
ECILA導入の背景にあったのが、「限られた時間の中で、お客さまの好みやニーズを深掘りしたい。お客さまのイメージと仕上がりのズレを無くしたい」という想いです。
これまで、「自分の意見を押しつけることは絶対にしない」と決めて、カウンセリングを重要視してきた屋木さん。お客さまのことを深く理解するために、多くの時間を注いできました。
例えば、「アッシュ系のカラーにしたい」というご要望があった場合、一言でアッシュといっても、人によってイメージは異なります。どのような仕上がりを思い描いているのか? 紙のカタログやスマートフォンなどで写真を探し、それを何枚も見比べ、お客さまのイメージに合うものが見つかるまで粘り強く擦り合わせをしていました。
お客さまが前回来店時に持ち込んだ写真が見つけられなかったり、前回の施術写真が見つけられなかったり、類似の写真をなかなか探せなかったりと、カウンセリングに必要以上に時間がかかることも度々ありました。新規のお客さまであれば、その方の好みを理解するために30分ほど時間をかけてカウンセリングを行っていました。
常連客の比率はおよそ8割と、決して低くはないものの、月によって売上の波をつくらないためには広告費を投じて新規客を集め、その固定化に取り組む必要がありました。そのためにも、初回のカウンセリングが鍵になります。
カウンセリングの時間を大事にする一方で、一人サロンで仕事と家庭を両立させるために、夕方~家事の時間帯は一度サロンを閉め、家事が終わったら再びサロンを開けるという変則的な営業をされている屋木さん。限られた時間をより有効に活用するために、生産性を高める必要も感じていたといいます。
屋木さんにとってECILAとの出会いが、これらの課題を同時に解決するための大きな転換点になっていきます。
ECILAの実機を体験し、その場で導入を決意。
「ECILAの存在は、発売されてすぐにインターネットで知りました。はじめは、私一人のサロンには高価な投資かもしれないと感じていて、タカラベルモントの担当者さんにも“うちは買わないからね(笑)”と冗談交じりに伝えていましたね。」
しかし、それからおよそ1年後、展示会のブースで初めてECILAの実機にふれた屋木さんは、その場ですぐに導入を決意します。
「あまりにも早く決めたから、担当者さんのほうが驚いていました(笑)。お客さまとのズレを無くすためにイメージを可視化できるECILAは、自分の目指すカウンセリングと合致していて、価格以上の価値をそこに感じたんです」。
そして同時に、「このお客さまならECILAのことを喜んでくださるに違いない!」と、何名かの常連さんの顔がその場で浮かんだといいます。
イメージをすぐに可視化して、カウンセリングの時間を凝縮。仕上がりとのズレもさらに減り、新規のお客さまがすべてリピート顧客に。
まずは、「プロファイル」機能を活かして、お客さまの要望や悩みを事前にホームカウンセリングで引き出した状態からカウンセリングを開始。これまで辿り着くのに時間がかかっていた仕上がりのイメージ写真も、AIによる「類似検索」で髪型や色のわずかな違いまで、細やかにニュアンスを共有できるようになりました。
「イメージをすぐに“可視化”して、お客さまと一緒に鏡で見られるようになったことは、とても大きな変化です。これまで写真を探すのにすごく時間がかかっていたのですが、ECILAを使うことで時間が凝縮されて、“カウンセリングの徹底”と“生産性の向上”を両立させることができていると感じます。それに、今年に入って新規来店されたお客さまは、今のところほぼすべて次回来店につながっているんです」と屋木さんは語ります。
「まずは、イメージと仕上がりのズレが無くなったことが大きいと思います。つい先日、他のサロンで自分の思うイメージと違う仕上がりになってしまい、“このままでは週末のライブに行けない……”と急きょ予約をして来られた若い男性の方がいました。その方は、マッシュヘアを希望されていたのですが、一言で“マッシュ”と言っても、仕上がりは本当にさまざまです。耳にかかる長さがいいか? 目にかかるかどうか? 髪の下から肌がどのくらい見えるのが理想的なのか? でも意外と、そういうことって聞かれなくて、その美容師さんが思うマッシュヘアをそのまま施術してしまう場面も多いのではないでしょうか? そこからイメージと仕上がりのギャップが生じてしまうんですね。」
屋木さんはそのお客さまとともに、ECILAで細やかに思い描くマッシュヘアのイメージを共有。仕上がりにとても満足していただき、次回の予約もその場でいただくことができたといいます。
お話に出ていた機能プロファイル
ホームカウンセリングの回答をミラー上部にアイコンで表示。お客さまの要望や悩みを引き出した状態から会話をスタートできます。また、スタッフ間の情報共有も円滑に。
お話に出ていた機能類似検索
1枚のスタイル画像から、「髪型」と「色」が類似した画像をそれぞれ検索。デザイン決定に向けて、言葉では表現しにくい細かなニュアンスを掘り下げます。
次の予約に、自然につながる流れをつくる。
お客さまに自分の意見や思い込みを押しつけることを良しとしない屋木さんは、自分から無理に次の予約をお勧めすることもしません。自然なかたちで、お客さまがお帰りになる前に次回の予約が入るような流れをつくり出しています。
「フィニッシュワークの時、ドライヤーのかけ方やセットの仕方を動画で残したり、仕上がりの写真を撮ったりして、お客さまのカルテに保存するようにしています。髪質改善のトリートメントを施術した後は、ツヤツヤになった髪を櫛で持ち上げて、動画でその艶感をお伝えすると、 “CMみたいですね!”と喜んでくださるお客さまもいて。そうした動画や写真をカルテで共有して、その場でお客さまにもご自身のスマートフォンでカルテを見ていただくことで、自然と次回はどうする?という話になり、予約にもつながっています。」
さらに、スタイリングの仕方などをテキストでもカルテに入力したり、お客さまが気に入ったスタイルの写真をカルテにアップしたりと、お客さまマイページの「カルテ」機能を活かすことで、来店時のコミュニケーションもアフターフォローも、より細やかに。お客さまが帰宅してからも関わりを持てるようになったといいます。
「これまではお客さまが帰られた後で、本当に大丈夫だろうか?と眠れないこともありました。気にしがちな性格なので(笑)。でも今は、次の来店までにこちらからフォローできる機会が生まれ、安心してお客さまと向き合えるようになりましたね。」
お話に出ていた機能写真・動画撮影
施術後のスタイルを撮影し、自動保存。次回来店時の振り返りはもちろん、スタイリング方法を動画で残せば退店後のフォローにも繋がります。また、カルテにも連携され、業務効率アップ。
お話に出ていた機能カルテ
施術の記録(静止画・動画等)に加え、店内で表示したバナー情報もカルテに記録されます。店外でもお客さまのスマートフォンからいつでも確認でき、前回の仕上がりや提案を振り返りやすいため、「次はこうしよう」につながります。
お客さまとの一生涯の関わりが、豊かな記録と記憶になって残されていく。
「長く通ってくださるお客さまとも、美容の話をする時間が増えました。例えば、春になったらパーマをかけたい、というようにお客さまと少し先の目標を共有して、どういうパーマにしたいのかECILAで目指すイメージを可視化します。お客さまが気になったヘアスタイルに、♡マークを付けて『ブックマーク』して、そのために次回はこの長さを目指そうというステップも可視化して、カルテに記録しておきます。春にはこのパーマだね、という目標を一緒に目指すことができるし、その途中で気持ちが変わって、もっと軽いパーマにしたくなっても全然構わなくて。あの時は、こういう髪型にしたい気分だったんだね、ということをお客さまの足跡として記録しておくことができます。」
一人ひとりのお客さまに長く寄り添いたいという想いを持ち続けてきた屋木さん。ECILAを長く使うほど、お客さまと重ねたコミュニケーションがそこに蓄積され、一生涯の関わりが豊かな記録と記憶になって残されていきます。
「お客さまの入れ替わりが早くて、自分の得意な技術だけを提供しているサロンなら、ECILAは必要ないかもしれません。でも、お客さまへのカウンセリングを重視していて、その先で長く続く関係を育みたいと考えているサロンなら、ECILAはきっと、効果を発揮してくれるはずです。」
お話に出ていた機能ブックマーク
お客さまの“お気に入り”を溜めていくフォルダ。ホームカウンセリングや来店時に選択したスタイル画像を一覧で見ることができ、なりたいイメージを具体化します。
今回インタビューさせていただいたサロン

en cachette
開設:2005年11月
住所:富山県高岡市
セット面:セット面1席 (ECILA:1台)
スタッフ数:スタイリスト1名
▼サロンプロフィール
富山県高岡市のサロンで初めてECILAを導入。AIによる似合わせ診断と徹底したカウンセリングをもとにお客さまがなりたいイメージを可視化し、一人ひとりと長く寄り添えるサロンを目指し続けている。「お客さまと一緒に年齢を重ねていくには、自分も成長し続けることが大切」という考えのもと、髪質改善のトリートメントや頭浸浴、ヘッドスパなど、新しいメニューも積極的に取り入れている。