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次の世代に、バトンを“CONNECT=継承”する。若手スタイリストの成長を早めるためのECILA活用術
次世代を担う若手スタイリストへとバトンを“CONNECT”するために、2号店をオープンされた柴澤元一さん、小口亜紀子さんにお話を伺いました。
柴澤 元一 さん 小口 亜紀子 さん
BOND CONNECT/オーナー・スタイリスト
2012年、長野県松本市にご夫婦で「BOND HAIR DESIGN」を開業。ともに美容師歴20年以上で、長年通い続けてくださる常連客も多く、2024年に新たなチャレンジの場として同県塩尻市に「BOND CONNECT」をオープン。
若手スタイリストたちの成長の場として、2号店をオープン。
お二人のもとには、開業から10年以上にわたり通い続けてくださる常連さんも多く、予約はほぼ固定のお客さまで埋まっていく状況に。
次のステップとして、「次世代を担う若手スタイリストたちに成長の場をつくってあげたい」と、2号店の「BOND CONNECT」をオープンしました。

「BOND CONNECTは若手人材が育つきっかけの場として、新しいお客さまとの“絆”をつくっていく場になってほしいと考えていました。」(柴澤さん)
開店に向けた準備を進めていた頃、雑誌などを通してECILAの存在を知ります。
「これは新しい集客の目玉になるかもしれない」と可能性を感じた柴澤さんは、すでにECILAを導入しているサロン「urupool(神奈川県横浜市) 」を見学に訪れました。

「はじめは1~2台のECILA導入を考えていたのですが、実際に使われている方々の話を聞いて、これは“単なるカウンセリングツールではない”と感じました。ECILAはビジュアルでお客さまのお悩みやなりたい姿を可視化することができ、スタイリストとお客さまの関わりを深め、自分の常連客を育んでいくための後押しをしてくれます。
サロンが大事にしてきた”BOND=絆”というコンセプトとも一致すると感じて、すべてのお客さまに同じ水準のサービスを提供するために、4席ある半個室ブースの全席にECILAを導入することに決めました。」(柴澤さん)
AFTERの写真を記録して、次回来店時にカウンセリングの質を向上。

「これまでも若手スタイリストたちは、お客さまと一生懸命コミュニケーションを取ろうとしていたはずですが、“どこまで深く寄り添えているか?”というと経験の差や個人差があったと思います。ビジュアルを使ったコミュニケーションの効果は大きくて、認識のズレや聞き漏れ・伝え漏れをカバーしてくれるんです。
例えば、AFTERの仕上がりを写真として保存できるので、『前回と同じくらい』というのがどのくらいの長さなのか、曖昧な記憶を辿るのではなく“答え合わせ”ができます。記録を残していくことで、サロンに通い続けることによる変化も実感してもらえますし、『1年前の夏はこのくらい短くしていましたね』という会話もできます。」(小口さん)
2回目以降の来店では、前回の写真を振り返りながらカウンセリングをスタートすることで、お客さまもスタッフも安心して施術に入ることができます。

お話に出ていた機能
スタイル履歴
お客さまの履歴を残しておくことは、ビジュアルコミュニケーションの基本。記録した写真や映像は「お客様マイページ」にも自動で連携され、退店後の体験や次回来店時のカウンセリングに役立てることができます。
記録した写真をもとに、自分のスタイリングへの理解も深めていく。

「教育の面では、まだまだ試行錯誤しているところではありますが、スタイル履歴を見ながら振り返りやアドバイスができるようになりました。1号店では営業中に横目でチラチラと若手メンバーのスタイリングの様子を見ていることもありましたが、サロンが2店舗になると自分たちがお店にいない時間もあります。
仕上がりの写真を活用できるのは指導する側にとってもありがたいですし、本人が後で自分がつくったスタイルを見直したり、他のメンバーの仕上がりを見たりすることで自分のスタイリングに対する理解が深まっていくと感じています。」(柴澤さん)
今後は、スタイリングの一連の動きを動画で記録して教育カリキュラムに組み込んだり、ミラーにグリッド線を表示させてカットのトレーニングをしたり 、ECILAを活用してスタイリストの教育をさらに充実させていきたいと柴澤さんは語ります。

グリッド表示モード
ミラー上に6段階で角度を変更できるグリッド線を表示。ウィッグやモデル練習のガイドラインとして、取り出し角度や正中線の確認など、精度を意識した実践練習に役立ちます。
お客さまの方から、店販商品や新しいメニューのことを聞いてくれる。

「スタッフの中には、自分から新しい提案をすることが苦手な人もいます。ましてや髪や頭皮の お悩みはデリケートな話題なので、こちらから切り出しにくいことも多いですよね。でも今は、お客さまの方からバナーやプロダクトスキャンの情報を見て、『こういうのがあるんだ』と聞いてくださることが増えています。
お客さまの方から関心を持ってくださるので、こちらも自信を持って紹介できますし、“マイフォルダ”にメニューや商品の特徴を載せておけば、会話の自然な流れで提案につなげることができます。 」(柴澤さん)

「新しくECILAに搭載された“クイズバナー”もお客さまに好評です。お声掛けしなくても1人でクイズに答えてくれたり、待ち時間も楽しそうに過ごしてくれています。
たわいもない日常会話も大切なのですが、やっぱり美容の話もしたいので、そこにもっていきやすいのがいいですね!
クイズに出てきた紫外線のネタから、UV保護の店販販売につながったこともあります。」(小口さん)
お話に出ていた機能
バナー
施術中や待ち時間、お客さまに合わせた“おすすめ情報”をミラー下部に表示。自然と美容にまつわる会話が生まれ、新しいメニューや店販商品を試していただくきっかけにつながります。

プロダクトスキャン
商品をミラー横のバーコードリーダーにかざすと、紐づいた動画や画像の情報がタイムリーに表示。商品を使用する際にさりげなくミラーに映しておくことで、自然とお客さまの関心を高めます。
会話量の多さ=正義ではない? 時代の変化に合わせた関わり方を。

「2025年春に、お客さまへのテキストメッセージを送信できる機能が追加されて、来店の御礼を伝えるメッセージを一人ひとりに送るようにしています。スタイリングのさいごの仕上げを動画で撮影しておいて、お客さまにお家で見ていただくこともできるので、ご自宅に帰ってからも接点が続いている感覚がありますね。」(小口さん)
お客さまとより深く関わることができるようになった一方で、“会話量の多さ”がいつも正しいとは限らず、“最小限の会話”で伝わるというビジュアルコミュニケーションならではの価値もあると小口さんはいいます。

「時代によってコミュニケーションの取り方が変化してきていて、美容室へ来ることが得意ではない方や、話すことが苦手という方も増えています。こちらが良かれと思ってする質問が、かえってマイナスになることもあるかもしれません。ECILAで画像をスクロールしながら気になるスタイルを指さしてもらうだけでも、最小限の言葉数で“こういう系統が好きなのだな”ということが分かります。
新規来店からリピートにつながるのも、最近は若い層の方が多いという感覚です。実は、若い世代の方ほどサロンを渡り歩いていて、会社でも気疲れしているのに、サロンでまで気疲れしたくないですよね。精神的な負担を減らしながら、少しでも心安らげる場所に感じてもらって、ビジュアルを活用した静かなコミュニケーションで納得・満足していただける仕上がりを目指していくことも、ECILAの使い方の一つなのかなって思います。」(小口さん)
お客さま一人ひとりが“何を求めているのか”を敏感に察知して、時代による変化にも寄り添っていくこと。ECILAの新しい側面に気づかされた、奥さまの一言でした。
「ECILAはお客さまのなりたい姿だけでなく、スタイリスト自身の未来も映すことのできる鏡だと思います。これからECILAをさらに教育面で役立てて、こういう風に活用すれば、こういう風に売上を伸ばしていけるんだよという将来像を示してあげたいです。」(柴澤さん)
今回インタビューさせていただいたサロン
BOND CONNECT
開設:2024年3月
住所:長野県塩尻市
セット面:個室2面、半個室4面(ECILA:4台)
スタッフ数:スタイリスト4名(2025年8月時点)
▼サロンプロフィール
コンセプトはBOND(=絆)。安心して長く通えて、髪の悩みも相談できるサロンとして、髪質改善メニューにも力を注ぐ。大人世代に人気の1号店「BOND HAIR DESIGN」から、次の世代へとバトンをCONNECTするために、若手スタイリストを育て、新たなお客さまとの絆を育もうとしている。