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case9:OM's様

育成プログラムで若手人材が飛躍!
ともに挑んだサロンの進化とは?

名古屋市中区の大須・栄エリアで3つのサロンを展開するOM'sさま。規模の拡大とともに、「毎年入社してくる若手スタッフたちをいかに早くデビューさせ、一人ひとりの得意をいかに伸ばしていくか」が、大きな課題になっています。
 
そんな中、タカラベルモントと一緒に取り組んだスタッフ育成活動「最短登頂プログラム」では、参加したスタッフ全員が月間100万円を超える売上を達成。さらに、3店舗目の開設に向けて経営幹部たちに実施した「POS経営勉強会」では、POSデータの分析を活かして経営の現状や収益予想を可視化するなど、事業拡大に向けた取り組みが次々と進んでいます。 
  • OM's poka 店舗外観
    OM's poka 店舗外観
【OM's / om's dot / OM's poka】
開業:2014年3月
住所:愛知県名古屋市中区
セット面:25席(3店舗合計)
スタッフ数:24名(3店舗合計) 

▼サロンプロフィール
OM'sには、Only Meet's(一期一会)という意味が込められ、一人ひとりのお客さまへの丁寧なカウンセリングと提案、サロンで過ごす心地よい時間を大切にしている。カットやパーマなどの技術の向上にも力を注ぎ、オーナー自ら毎週2回、若手メンバーたちにカット講習を行っている。
 
▼課題
□毎年入社してくる若手人材の早期デビューと活躍を促したい。
□スタイリストが教育業務に従事する時間を軽減し、売上・モチベーションの低下を防ぎたい。
□新たな出店に向けて、経営の状況と収支計画を幹部と共有し、参画意識を高めたい。 
 
▼ソリューション内容
タカラベルモントの教育担当により、デビュー間もないスタイリストを対象に、半年間の育成プログラムを実施。SNSの投稿やカウンセリング力の強化、PDCAシートなどを活用した伴走型の支援により、それぞれが月間売上を大きく伸張。さらに、新規出店に向けて経営層にもPOSを活用した勉強会を実施 。タカラベルモントの営業担当者とも密に連携しながら、3号店のオープンに至った。
 
▼タカラベルモント担当者
教育担当  服部和之。サロンの想いに寄り添い、教育と経営支援で成長を後押し。伴走型支援で人材育成と売上向上を実現し、信頼を集めている。
 
営業担当 永井貴哉。化粧品営業で培った知見をもとに、空間づくりや機器提案にも妥協せず、的確な現場判断と真摯な対話で信頼される営業活動を目指している。

自社オリジナルの制度や、手当の開発。一人ひとりが楽しく働ける環境と、スターを育てる仕組みをつくりたい。

美容師になりたての頃はドレッドヘアが好きで、ブレイダー (髪を編む技術を持つ人 )を志していたというオーナーの大井繁広さん。カリスマ美容師全盛の時代に東京で下積み生活を送り、名古屋に戻ってキャリアを再スタートします。
 
名古屋で着実にキャリアを積み重ね、奥さまと二人で独立し、OM’sを開業しました。
 
もともと、人と人との一期一会(only meet's)を大切にしながら“ゆるい美容室”をしたいと考えていたという大井さん。しかし、スタッフが一人増え、また一人増え、セット面4席に対してスタッフが7名にのぼり、入社をしばらく待ってもらうような状況に。「今、目の前に集まってくれているメンバーのためにも頑張らなければ」とギアを入れ直し、店舗を移転・拡張。さらに同じ大須エリアに2号店 om’s dotをオープンします。
 
  • OM's オーナー 大井 繁広さん
    OM's オーナー 大井 繁広さん


     

OM's大井オーナーとタカラベルモント担当

大井さんが大事にしてきたのは、一人ひとりが楽しく愉快に働ける環境を育むとともに、自分の得意なことを伸ばし、スターを育てる仕組みづくり。

 
例えば、“シャンプーチャンピオン”のように、その人が社内で一番になれることを認めて評価する「チャンピオン」制や、毎月誰かが講師になって勉強会を開催し合う「社内講師」制、練習や撮影のためにモデルを一定人数以上呼んだ人のために支給される「モデル手当」。こうしたユニークな取り組みと企業カルチャーがまた多くの人を惹きつけ、20名を超えるメンバーが集まるサロンへと成長を遂げています。
 
しかし一方で、会社の規模が拡大して毎年のように新卒で入社してくるスタッフがいる中、「育成」が大きな課題になっていました。

スタイリストデビューのスピードアップと、教育業務にかかる負荷の低減。相反する課題を、いかに解決するか?

大井さん自身がかつて経験してきたような、営業時間後に深夜まで残って練習をする、という慣習は時代の変化とともに影を潜め、たとえ2~3席分の売上を落としてでも、営業時間内にモデルさんに来てもらい、レッスンを行う日もあったといいます。
 
そうすると今度は、教育業務に割く時間が増えるほど、指導にあたるスタイリストの歩合給が減少し、モチベーションの低下や離職につながりかねません。実際に、翌年には5名の新入社員を迎えることになり、教育業務への対応に少なからず一定の時間や工夫が求められることが予想されました。  
 
オーナーの大井さんは、「サロンの中で売上を落としてもいいのは自分だけだから」と、自ら毎週2回、朝の時間帯にカット講習を始め、新人教育に乗り出します。その姿勢に共感するように、「自分も朝来て練習したら、みんな付いてきてくれますかね?」と、自主的に朝早くからサロンに出てくる中堅スタッフが現れ、朝の練習がサロン全体に根づきつつあるといいます。
 
技術的な研鑽については、自分たちで日々努力を重ねていく。次なる課題は、スタッフ一人ひとりが売上を伸ばすための「生産性の向上」でした。
 
そんな時、「自分がスタイリスト育成をサポートします」と手を挙げたのが、タカラベルモントの教育担当、服部和之でした。

ともに歩み、ともに達成した月間売上100万円。スタイリスト育成支援「最短登頂プログラム」。

服部が提案したのは、半年間の伴走型支援によって目標達成をめざす育成支援「最短登頂プログラム」でした。
タカラベルモント教育担当 服部和之
タカラベルモント教育担当 服部和之

このプログラムは、「自分がどのようなスタイルを得意としていて、どこを伸ばしていくのか」というUSP(個人の強み)の分析に始まり、SNSの運用と投稿のポイント、新規のお客さまをリピートにつなげるためのカウンセリング、お客さまのマンネリ化を防ぐためのカウンセリング、店販商品の提案力向上など、毎月実践的なテーマを立てて講習を行います。
 
そして、ただ講習を受けて終わりではなく、進捗管理の徹底を実施します。具体的にはP(計画)D(実行)C(評価)A(改善)シートを使って行動と改善を促していきました。 
 
「講習を受けたら、その瞬間はモチベーションが高まると思うのですが、しばらく時間が経つと、何を学んだんだろう?と徐々に効果は薄まってしまいます。そこで必ず、PDCAシートに記入をしてもらい、毎週提出してもらうようにしていました」(服部)
 
PDCAシートの記入項目は、一人ひとりの成長ステップやテーマによって段階的に変化しますが、例えば、次のような項目が挙げられます。

育成支援「最短登頂プログラム」

○SNSの投稿⇒1週間に3回以上投稿する!

○推しアイテムの紹介⇒接客数の80%以上に提案する!
○推しメニューの紹介⇒接客数の80%以上に提案する!
○クロージングの徹底⇒接客したお客様すべてに実施する!
○お客様の悩みや理想をヒアリング⇒接客したお客様すべてに実施する! 
 
このように具体的な行動目標を設定し、それが達成できたかをふり返ります。できなかった場合は、「なぜできなかったのか?」を考え、「次回どうするのか?」まで考えます。
 
「教育に携わる時は、こちらから答えを言わないように心がけています。自分で考えて、行動して、失敗してみて、何が駄目だったのかを聞かれた時に、初めて手を差し伸べる。自発的に考える人材を育てていければ、結果的にそれが売上につながると考えています」(服部)
 
そして、OM’sが数年前から導入しているサロンPOSに蓄積されたデータを活用して、一人ひとりの個人売上を把握し、教育の効果・目標の達成度を見える化。このように半年間、密な伴走を行い、「最短登頂」と呼べるほどの目標達成と成長を促していったのです。
 

3名の参加者が全員、目標を達成。現在は、店長としてサロン経営を牽引。

この育成プログラムに参加したのは、3名のスタイリストでした。当時、入社3~4年目でスタイリストとしてデビューして間もなく、これからお店の売上を引っ張っていくことが期待されるメンバーたちでした。
 
1人は、それまで約70万円だった月間売上を120万円まで伸ばし、もう1人は、もともと150万円あった売上を、さらに180万円まで伸ばしました。
 
この2人に共通していた課題は、「カウンセリングの質」。広告メディアからの新規客に対して、予約されたメニューをそのままこなす傾向が見られたため、「5W1H(※)を徹底して質問を深掘りすること」を習慣化。「自分の話をしっかり聞いてもらえた」という実感をお客さまに持っていただくことで、リピート率や指名の増加につながっています。
 
もう1人は、女性客はほぼ担当せず、男性客だけで月間売上150万円を達成。その成果を、LINEでわざわざ服部に報告してくれたほど、本人も大きな手応えを感じてくれているようです。
 
その決め手の一つが、「SNSの運用の仕方と、投稿する写真の質の向上」でした。服部は、そのスタッフの投稿を毎回チェックしてリアクションを付け、特に内容が良かった投稿に対してはDMを送ってその意図を伝えてきました。

※5W1H:「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのようにして)」の6つの英単語の頭文字をとった思考のフレームワーク。

 

  • OM'sスタッフとタカラベルモント教育担当

     「服部さんたちはスタッフと良好な関係を築いてくれて、目標に向かって一緒に仕事を進めてくれているという感覚があり、それが一番ありがたいですね。同じ言葉でも、身内から言われるよりも、社外の人から言ってもらうことで聞こえ方が違うと思いますし、僕たちが営業中に言えないことも踏み込んで言ってくれるので助かっています」と、オーナーの大井さんは言います。

OM'sオーナーとタカラベルモント教育担当

「落ち込んでいる時に話したり、会ったりすると、元気をくれる人たちがいます。私はそういう人たちにずっと憧れていて、サロンさんを訪れた時に、私が訪問したことで受付が盛り上がったり、笑いが起きたりして、“服部さんが今日来て楽しかった”と言ってもらえるよう心がけています。勝手に私が楽しんで帰っているだけかもしれませんが(笑)」(服部)

月間100万円を超えるスタイリストが減少していると言われる中、参加した3人が全員、100万円を大きく上回る数字を達成できた今回の育成プログラム。そして、そのうち2人は、現在店長としてOM’sのリーダーを務めています。

 
大井さんは育成の想いを、次のように語ります。
 
「とにかく、どうやって早くスタイリストデビューをさせてあげられるか。それをずっと考えています。お客さまにしても、先輩たちが活躍する姿を見て入社してくるスタッフたちにしても、人が人を呼びますからね。1人で生み出せる売上には限界があり、みんなで生産性を高めていくことが大事だと考えています。」
 

さらにギアを上げ、みんなで大きな目標を目指していく。その一歩としての、新たな出店。

今から数年前、大井さんは40才を迎える節目に、もう一段階ギアを上げ、会社全体で10億円を目指そうという目標を立てました。
 
「10億という数字がどうこうではなく、みんなで目指せる目標があることが大事。自分一人では達成が難しい目標なので、今いるスタッフたちにOM’sのサロン経営をどんどん任せていけるよう、成長を後押ししたいです」(大井さん)

そして、3店舗目となるサロンのオープンとさらなる事業規模の拡大に向けて、服部からPOS分析を活用した経営勉強会を提案しました。
タカラベルモント教育担当 服部和之

「自分だけでなく他のメンバーにも協力を仰ぎ、漠然とした店舗拡大ではなく、POS分析で収益性や経営のポイントを明確にしたうえで、新規オープンを支援できたらと考えていました。そして自分自身もPOS分析について研鑽を深めたいという想いもありました」(服部)

 
服部たちはPOSデータを分析し、1号店・2号店における上位顧客の割合などを可視化。OM’sが描く未来と現状を照らし合わせていきました。
 
「OM'sさんには、数年間にわたってサロンPOSを活用されてきた実績がありますから、分析に必要なデータは潤沢にありました。新規出店のタイミングで、どのくらいの原資が蓄積されているのか? 新しい店舗にどのくらいの収益が求められるのか? そのために、どのくらいお客様をふやす必要があるのか? リアルな数字を算出し新店舗の経営数値をシミュレーションしていったんです  」(服部)
 
3店舗目の店長を任されたスタッフ(最短登頂プログラムにも参加)は、その数字を見て「よし、もっと頑張らないと」と気持ちを入れ直したといいます。
 

OM's大井オーナー

「この経営勉強会は、毎年やったほうがいいですね。3店舗目を出す栄というエリアは、自分にとって特別な思い入れのある場所で、20代の頃、いつかはここに自分の店を持てたらと憧れていた場所です。今は人通りが減って、集客が難しいエリアになっていますが、それでもここに店を出したいという気持ちが上回っていました。数字で目標を明確にしてもらったことで、その出店に対する裏付けができたと思います」(大井さん)
 
3号店となる「OM’s poka」は、2025年6月に無事オープンを迎え、レセプションには100名以上の関係者が訪れたといいます。「その光景を見て、OM’sさんは間違いなく、これからの東海を引っ張っていくサロンの一つだと実感しました」と服部は語ります。
 

単なる機器の納入ではなく、未来のための投資を。

「OM's poka」のオープンにあたり、タカラベルモントの営業担当である永井貴哉が機器の提案に携わりました。
タカラベルモント営業担当 永井貴哉
タカラベルモント営業担当 永井貴哉

「もともと、服部がすごく頑張っているのを近くで見ていました。営業担当者としての自分の役割は、オーナーの大井さんたちが夢を叶えるための箱をつくること。タカラベルモントの製品を選んでいただくということは、差し迫って必要なものを揃えるというよりは、“未来のための投資”に近い感覚だと思っています。
だからこそ、相手のために必要でないものは提案しませんし、逆に、あった方がいいと思うものについては本気で伝えることを心がけています」(永井)
 

OM'sシャンプーブース
新店舗のシャンプーブース

永井が機器の提案や納入に携わる中で、ひとつ印象的な出来事があるといいます。シャンプー台を納入する前、配線などの確認に施工現場を訪れた時、元の図面のままでは必要な施術スペースが取れないことに気づき、慌てて内装のデザイナーや施工業者さんに掛け合い、調整を行ったというのです。
 

「通常のメーカーさんなら機器を納入して終わりかもしれませんが、自分が何のために営業担当者としてここにいるのかを考え、理想の空間づくりに貢献できたらという想いで動きました。自分は当社化粧品ブランド(ルベル)の担当をしていたこともあるので、シャンプーにどのくらいの施術スペースが必要なのかイメージできます。もともと、通路としてのスペースを広く取りたいというご希望があったので、全体のバランスを見ながら調整を試みました」(永井)

そんな永井の対応は、デザイナーや施工業者さんなど周りからも好印象だったと大井さんから伝えられ、永井は少し照れくさそうに喜んでいました。

  • Om's poka入口
    全面に貼られたガラスが特徴的で、開放感と心地よさを感じられるOM's poka。店の外からも美しく見えるようにレイアウトや空間に合わせた椅子が置かれている。
  • OM's poka受付のPOSLinQ
    新店舗にもサロンPOSを導入。若いスタッフたちはシステムを使いこなし、オーナーの大井さん以上に日々の数字を見ているという。

これからも、挑戦を広げ、一期一会で出会えた人たちのよろこびを広げていく。

スタッフがそれぞれの得意なことを、さらに伸ばす。そのうえで、生産性も、ここで働くよろこびも最大限に高めていく。
 
大井さんは一貫して、そのための環境と仕組みをつくり続けてきました。
 
  • OM's大井オーナー

    現在は、セットの技術と経験をさらに身につけたいというスタッフのために、“社内副業”としてセットサロンを開こうと構想中。セットの技術はカットよりも習得が早いため、スタイリストデビュー前のスタッフでも、お客さまと直に接する経験を重ねながら、収入を向上させることができます。

     
    こうした手当や副収入の記録は、ノートいっぱいを埋め尽くすほどだといいます。美容師一人ひとりが楽しみながらスターを目指せる未来をつくるために、一期一会で出会えたお客さまを大切にするために、大井さんたちOM’sのチャレンジは、さらに広がろうとしています。
     

  • OM's オーナー 大井 繁広 さん

    OM's  オーナー

    大井 繁広

    2014年3月にOM'sをオープン。“一期一会”の想いを胸に若手育成に情熱を注ぎ、技術と経営の両輪でサロンを成長させる。
  • タカラベルモント株式会社 服部和之

    タカラベルモント株式会社 教育担当

    服部和之

    2014年入社。伴走型支援で人とサロンの成長を支え、厚い信頼を得ている。
  • タカラベルモント株式会社 永井貴哉

    タカラベルモント株式会社 営業担当

    永井貴哉

    2018年入社。化粧品営業の経験を活かし、空間提案と誠実な対応で信頼を築く。

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