case6:美空間HANA様
ファミリーサロンから脱却し、一人のお客さまと、もっと深く向き合えるサロンへ。
開業15年目、これからの美容人生を見据えた決断
愛知県稲沢市で15年以上、地域のお客さまを大事にしながら、ご夫婦二人でサロンを営んできた「美空間HANA」。
もともとはキッズスペースも設け、お子さまからシニアまで幅広い層のお客さまを対象にしていましたが、ご自身も年齢を重ねる中で、心身の健康や頭皮のケアに目を向け、稲沢市で唯一の〝育毛コンシェルジュ〞として独自の道を歩むようになります。
その転換期に、ボイラーの入れ替えをタカラベルモントに相談したことをきっかけに、付加価値のある高単価メニューと空間を一致させるため、サロンのリニューアルを決意。
日比野さんご夫妻の新しい夢が、動き出しました。
開業:2007年3月
住所:愛知県稲沢市大塚南
セット面:2席(シャンプー:3台)
スタッフ数:2名(2024年6月時点)
▼サロンプロフィール
こころとからだの中からきれいになる「健幸美」という考え方のもと、髪の毛はもちろん頭皮の健康、そして心身の健康を考える美容室へ。
完全予約制で、ご夫婦がそれぞれマンツーマンで一人のお客さまと向き合い、ヘッドスパや育毛メニューをはじめ、脳幹セラピーやボディケア、肌質改善、全身と心へのアプローチなど、その人の状態に合わせたメニューを提供し、日常を忘れて元気になれる特別な時間を創り上げている。
▼課題
・ボイラー(一般給湯器)の不調。
・オープンしてから15年が経過し、内装が老朽化している。
・育毛やヘッドスパなどの高単価メニューにふさわしい空間が欲しい。
▼ソリューション内容
「メニューと空間の一致」をテーマに、タカラベルモントとタカラスペースデザインがタッグを組み、より高付加価値で独自性の高いメニューを追求できる上質な空間へと、サロンをリニューアル。
空間が生まれ変わったことで「ナイトスパ」などの新たな人気メニューが生まれるとともに、平均客単価もおよそ2000円アップ。新たな上顧客の獲得にもつながっている。
▼タカラベルモント担当者
営業担当 細谷賢志朗。圧倒的な当事者意識を持って、お客さまとともにサロンの夢やビジョンを描き、単なる商品・サービスの提供を超えたソリューション提案を手がける。
▼タカラスペースデザイン担当者
空間デザイン担当 嶋木良。施主の想いを感じ取り、創造的なアイディアを生み出すことを得意とし、心に残るシーンを生み出す空間づくりを心掛けている。
【タカラスペースデザイン】
「美と健康」のための空間を創造。
美容室・理容室・エステサロンほか、歯科医院や医療クリニックなど、様々な専門ノウハウをもとに最良の空間デザインを提供しています。
一般的なファミリーサロンから、ここにしかない特別な空間へ。
開業から15年で、訪れた転機。
「土地はあるから、あとは自分たちでなんとかしなさい」と、奥さまの父親名義だった土地を受け継ぎ、地元の工務店に依頼して一からサロンを建て、「美空間HANA」を開業しました。
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「若かったこともあり、本当に勢いだけで独立しました。当時は二人の娘がまだ幼かったこともあり、子どもも居られるキッズスペースをつくって、一般的なファミリーサロンとしてお店を営んできました」(諭さん)
フリーペーパーやチラシなどの効果もあって幅広い年齢層のお客さまが集まり、サロン経営は軌道に。しかし、40代を迎えたあたりから、これからの美容人生について考えるようになったと言います。
「もう若手の美容室ではない。これからどうやって生き残っていこうかと考えたとき、その頃トリートメントやヘッドスパがトレンドだったこともあり、頭皮のケアや育毛に特化したメニューをつくることにしました。トレンドには“流行り”のあとに“廃り”が来るものですが、それを廃れさせることなく続けていこうと。チラシなどもつくって5〜6年地道に発信を続けてきたので、地域では多少認知されてきたのではないかと思います」(諭さん)
奥さまの日比野俊美さんが大病を患った経験から、髪や頭皮だけでなく、心と全身の健康にも目を向けるようになり、オーガニックなハーブ・アロマを使ったマッサージやボディケアなどを取り入れ、一人ひとりの健康や人生と深く向き合うサロンへとシフトしていきます。
「美容師なので、髪や頭皮を綺麗にすることは当たり前のことですが、みなさん生活の中でいろいろなことを抱えているので、ここに来たら日常を忘れて心の底から癒されてほしい。また自分の生活に帰ったときに、一番元気な状態になれる。そういう場所になりたいと思っていました」(俊美さん)
それが、日比野さんご夫妻にとって大きな転機となりました。
ただ設備や内装を新しくするのではなく、ブランドそのものをリニューアルする。サロンの“新しい強み”を引き出せる改装を。
お問い合わせを受けて日比野さんご夫妻のもとを訪ねたのは、タカラベルモントの営業担当 細谷賢志朗でした。
「お話を伺っていく中で、ボイラーの入れ替えだけでなく、“ヘッドスパや育毛メニューに注力するために個室をつくりたい”“今の空間のままでは、高単価メニューにふさわしい演出を提供することが難しい”“自分たちの子どもも大きくなったので一般的なファミリーサロンから脱却して他店との差別化をはかりたい”というように、お二人の想いが次々と出てきました」(細谷)
そして細谷は、改装という選択肢を視野に入れても良いのではないかと日比野さんご夫妻に提案をします。
「はじめは、改装の話はまったく無かったのですが、細谷さんとの出会いがきっかけになって、自分たちの夢やビジョンが膨らんでいきました」(諭さん)
ただ傷んだ設備を新しくしたり、内装を綺麗にしたりするための改装ではなく、お二人のこれからの美容人生を見据えて、日比野さんご夫妻が本当に提供したいサービスを実現できる空間を。タカラスペースデザインのデザイナー、嶋木良も加わり、想いがかたちになっていきます。
「一からブランドをつくるのが新築だとしたら、改装は“リ・ブランディング”にあたると思っています。改装をすることによってサロンの新しい強みを引き出して、空間だけなく“ブランドをリニューアルする”ということが、まず今回の大きなポイントだと考えました」(嶋木)
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ご夫婦二人だけで営まれているとは思えないほどの、ホテルのような開放感のあるエントランスに生まれ変わり、縦方向の木目によって高さがさらに強調され、そこに階段の白と黒のコントラストがアクセントを添えています。
そして、ヘッドスパや育毛メニューの価値をさらに高めるための個室。どうすればお客さまにより付加価値を感じてもらえる特別な空間を演出できるのか?日比野さんご夫妻のイメージとデザイナーのイメージをリンクさせ、天井高や照明にも心を配りながらできあがった空間は、「ナイトスパ」という新しい人気メニューの創出につながり、客単価を押し上げる要因の一つになっています。
最近では、お客さまのほうから「朝のスパもメニューに加えてほしい」というご要望もあるのだそうです。
さらに、受付からセット面、シャンプー台へと向かうとき、視線の先にちょうど個室が来るように導線を設計。「“奥にあるあの部屋は何だろう?”とお客さまの目に留まることで、自然とヘッドスパや育毛メニューの話題につながってくれたらと考えました」(嶋木)
ヨガや体幹トレーニングもできる鏡張りのスペース。髪や頭皮だけでなく、お客さまのこころとからだの「健幸美」を支えていきたいという日比野さんご夫妻の想いが体現され、自分たちが提供したいサービスを思う存分に追求できるようになりました。さらに、大きなミラーは空間全体がより広く感じられる効果も生み出しています。
「シャンプーをしていると、大きなミラーに自分の働いている姿が映ります。私の背景には、お気に入りのハーブを集めた棚があって、自分たちの好きなものと想いが詰まったこんな空間で仕事ができて幸せだなと、とてもうれしい気持ちに包まれます」。俊美さんはそう語ります。
いろいろな人の想いが詰まった空間で、働ける幸せ。そして、美容の楽しさと喜びを、次の世代へ。
今回のリニューアルは、お客さまが感じられる付加価値を高めるだけでなく、この場所で働く日比野さんご夫妻にもさまざまな変化をもたらしました。
「以前のサロンは、美容室設計に関する専門知識がない一般的な工務店にお願いしたので、実は自分たちが仕事しづらい環境で働いていたのだなと、改装してみていろいろと気づきました。たとえば照明ひとつとっても、位置を少し変えるだけで、こんなに明るくて仕事がしやすくなるものなのかと驚きました。カラーの色味などがとても見やすくなり、パフォーマンスも上がったように感じます」(俊美さん)
「美容業界で働く一人として、“いつかはタカラにお願いしたい”という想いが昔からありました。タカラベルモントさんは美容室をつくるプロ集団なのでサロン全体をイメージしながらデザインしてくれました。初回の提案から、まさにイメージ通り、それどころかイメージ以上のものがあがってきて、僕たちから提案に対して反対意見が出ることはありませんでした」(諭さん)
「タカラベルモントは、機器だけでなくサロンづくりまでの幅広い提案を、そして僕たちタカラスペースデザインは空間の提案を、同じグループとして連携しながら行っています。だからこそ、すべてが一つに噛み合って、働きやすさ、使いやすさまで見据えたサロンづくりができるのだと考えています」(嶋木)
「日比野さんたちと“地域一番のサロンになろう”というビジョンを掲げ、今回のプロジェクトがスタートしました。ここにお父さまから受け継いだ土地があり、開業からずっと通い続けてくださっているお客さまもいます。この場所からお二人が移ることはない。だから、“ここをどれだけ良い場所にできるのか”が僕たちの使命だったんです」(細谷)
「タカラというブランドを背負った細谷さん、嶋木さんたちに出会えたことが、すべてだと思います。人間性も含めて僕は二人のことが好きですし、本当に縁ですね。嶋木さんはまだお若いですが、今回のリニューアルの経験も糧にして大きく成長しているのを感じます。美空間HANAというサロンに関わったことを忘れないでほしいですし、嶋木さんの人生の中で何かきっかけの一つになってくれたらうれしいなと思っています。僕たちも、この場所でまた新しい夢に向かって動き出すことができました。本当にありがたいご縁ですね」(諭さん)
「引き渡しの日、奥さまがすごく感動されていて、あのとき喜んでくださっていた表情や言葉を、間違いなく僕は忘れることはないと思います」(嶋木)
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そして、そんな日比野さんご夫妻の背中を見て、娘さんも現在、美容師を目指して美容学校へ通われています。学校帰りの娘さんにサロンにお越しいただき、お話を聞かせてもらいました。
「小さい頃からここへ来て両親が働く姿を見ていて、仕事というよりも二人ともすごく楽しそうにお客さんと話していて、自分もこんな風に働きたいなと思っていました。お店を改装してからは、家でも美容の話をすることが増えたと感じています。私も父や母のように、お客さんをいっぱい増やすよりも、一人のお客さんとずっと楽しく関わっていけるような美容師になりたいと考えています」(娘さん)
「頼んだわけではないけれど、こうして娘も自分で選んで同じ道に進んでくれて、感謝しています。同じ道を歩めることは親としてもうれしいことです。だからこそ、この改装を機に、一美容師として一先輩として、ちゃんと背中を見せられるように、つくり上げた空間を生かして、自分たちの進むべき方向性をしっかり見定めた美容室づくりを続けていきたいと思います」(諭さん)
「娘をはじめ、これから美容に携わる若者たちに、少しでも何か肥やしになるようなものを残していきたいと思います。小さなお店の小さな活動かもしれないけれど、そういうことができるような美容師でありたいです」(俊美さん)
サロンを全面的にリニューアルしたことで、お客さま一人ひとりとの関わりをさらに深め、この空間だからこそ提供できる“特別な時間”を追求されている美空間HANAさま。
タカラベルモントはこれからも、日比野ご夫妻の新たな夢に寄り添い、サービスのさらなる価値向上をサポートしていけたらと考えます。
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写真=吉松伸太郎取材・構成=久岡崇裕
haruchica オーナー
日比野諭
2007年3月、 愛知県稲沢市に美空間HANAを創業。 ゆったりとした上質空間でお客様一人ひとりのお悩みを解決してくれるサロン。
タカラベルモント株式会社 営業担当
細谷賢志朗
2009年入社。お客様に寄り添いサロンの夢やビジョンを描きながらサロンづくりをサポート。タカラスペースデザイン株式会社 空間デザイン担当
嶋木良
2020年入社。施主の想いを感じ取り、創造的なアイディアを生み出すことを得意とし、心に残るシーンを生み出す空間づくりを心掛けている。
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