case2:美容室ふつき様
客単価アップへの切り替えで、
お客様とスタッフ、どちらの満足度も向上を
開業:1986年7月
住所:山形県米沢市
セット面:8席
スタッフ数:7名 (2022年8月時点)
▼サロンプロフィール
女性や家族層を中心に、幅広い年齢の方が来店する地域密着型の繁盛サロン。開業36年を超える老舗店。
▼課題
お客様一人ひとりにきめ細やかなサービスを提供できる空間へと転換したい。スタッフが長く働きたくなるような環境づくりにも取り組みたい。
▼ソリューション内容
開業当時から美容ニーズは変化し、技術力だけでなく高付加価値提供が必要不可欠に。「機器」「空間」「メニュー」をトータルに見直すことで、客単価と顧客満足度を向上。
さらにスタッフの働きやすさの改善にも。
▼タカラベルモント担当者
営業担当 後藤颯。タカラベルモント仙台営業所に所属。サロンオーナーはもちろん、そこで働くスタッフの心にも寄り添いながら、サロンの成長をサポートするソリューションを幅広く提案する。
スタッフの労働環境の改善には、客単価アップが急務に。
それに伴いスタッフ数も増加。現在はオーナー以下、スタイリスト3名、アシスタント2名、エステティシャン1名、レセプション1名の計7名体制で運営されています。
ライバル店も多い米沢市中心エリアにあって、着実にリピート客を獲得していく。一見すると順調そうに見えるサロン経営にも「課題はあった」と同店でスタイリスト兼店長を務める鈴木美香さんは話します。
「ひとりでも多くのお客様に対応することを目的に、セット面の数を優先した空間づくりになっていたんです。そのためお客様同士の距離が近く、ゆったりとおくつろぎいただくことができず、スタッフとしてもきめ細かなサービスを提供しにくいというジレンマを抱えていました」(鈴木氏)。
結果として多くのお客様に利用されるサロンになってはいたものの、サービスの質を高めにくいことから客単価は横ばいに。また、繁盛店ゆえに、スタッフの負担も大きなものになっていました。
そうしたお悩みを、タカラベルモントの営業担当である後藤颯が知ったのは、2020年12月。前任者を伴っての引き継ぎ挨拶に訪れたときのことでした。
そこでまずご提案したのが、現状のスペースを変更することなくお顔のエクササイズを提供できるマシン『コアデザイン』の導入と、それを利用した新メニューです」(後藤)。
コアデザインは小型機器のため店内改装を必要とせず、直感的な操作性でエステティシャンの負担が少ないのも魅力。さらに、標準メニューなら30分で施術できることから、これまでのオペレーションを維持したままサロンの付加価値向上を見込めます。
「通常であれば、タカラベルモントのショールームでデモを体験していただくのですが、今回はコロナ禍でもあったので、ふつき様の店内で実施しました。結果的に多くのスタッフの方にご参加いただけましたし、私たちもスタッフの皆様を知る良いきっかけになりました」(後藤)。
メニュー刷新にとどまらない、大幅リニューアルを決断。
「特に印象的だったのは、売上面よりも、働くスタッフの方への気遣いが多くあふれていることでした」(後藤)。
美容室ふつきのスタッフは全員が女性で構成されています。長く務めるスタッフも多く、年齢が上がっていくことに伴う心配も出てきていたと渡邉オーナーは話します。
「前回の改装から年月が経っており、お客様はもちろん、私たちスタッフにとっても心から快適と言える環境ではなくなっていました。
また、出産や育児など、ライフステージの変化によって、これまでと同じだけサロンにいられなくなることも考えられます。それでも売上をキープしながら、ここで働くみんなが心身ともに負担なく、仕事をつづけられるような環境にしたい。それが、私の一番の願いでした」(渡邉氏)。
これまで苦楽をともにしてきたスタッフと、これからも一緒に働きつづけるために。タカラベルモントは現状の課題を分析し、サイドシャンプーによる腰痛や導線の複雑化による移動ロスなどは「身体的課題」に、メニューの定番化や客単価の伸びにくさは「精神的課題」に分類しました。そしてそれらは相互に絡み合っていたため、両方にアプローチできる総合的なソリューションが必要でした。
そこで提案したのが、「機器」「空間」「メニュー」の3つを見直し、その相乗効果でお客様とスタッフ、両方の満足度を高めるというものでした。
また、「W SWING YUME」を設置することで生まれた半個室空間や、スパブースに設けたロールスクリーンで、プライバシー性が飛躍的にアップ。ワンランク上のサロン空間が出来上がりました。さらに、その上質な空間を活かしたスパメニューも独自に考案。メニュー開発では化粧品ブランド「ルベル」の担当者と緊密に連携をとり、美容室ふつきを利用する女性と男性、それぞれに魅力ある内容を作り上げています。
「提案の背景にあったのは、美容ニーズの変化です。かつてサロン来店の目的はヘアデザインがほぼすべてでしたが、現在は髪質改善やトリートメント、癒しなど、さらなる魅力づけが欠かせなくなりました。今回は、機器や空間、粧材など、すべてをシームレスにつなげることで付加価値を高めることを目指しました」(後藤)。
リニューアルへの期待感とモチベーションを高めた、スタッフ向け体験会。
「今回のリニューアルにあたっては、ヒアリングからご提案、そしてご決裁いただくまで、渡邉オーナーとのコミュニケーションが中心でした。ご提案の中には新メニューの導入や、機器の入れ替えによるオペレーションの変更なども含まれます。それらを実際にサロンワークとして行うのはスタッフの方々です。今回のリニューアルを前向きに考えていらっしゃるのか、リニューアルにあたって不安なことはないか。それがずっと心の中に残っていました」(後藤)。
そんな懸念を払拭したのは、新しい機器の体験会や新メニューの講習会の場でした。
「体験会や講習会は、タカラベルモントの仙台ショールームで行いました。体験会はスタッフの方全員に参加いただき、新しい機器やメニューを事前に体験いただきました。講習会は2日間設け、私にとっては休憩時間や待ち時間にスタッフの皆さんとたくさんお話しできたことが一番の収穫でした。お伺いしてみると機器やメニューの印象は上々で、リニューアルにもとても前向き。皆さんが期待してくださっているのを感じられました。ああ、これは自分たちの提案は間違っていない。リニューアルは正しい方向に進んでいるんだと、改めて自信を持つことができました」(後藤)。
実際に体験・講習会に参加した総務の小平節子さんと、スタイリストの坂野茜さんは、その時の印象をこんなふうに振り返ります。
「カタログで新商品を眺めているだけでもドキドキしていたのですが、実際に体験してみると『早く導入したい!』『これはお客様にも体験してほしい!』と一気にテンションが上がりました。講習会時には後藤さんがわざわざお店からショールームまで送迎してくださったり、新しい施術の仕方を実践に即した方法でレクチャーしていただいたり。タカラベルモントのきめ細かな対応が随所にありました。不安を感じるような場面は、ほとんどなかったですね」(小平氏/坂野氏)。
さらに客単価を高めていく仕組みづくりを二人三脚で。
「やはり、オーナーのスタッフを想う気持ちが大きかったのだと思います。実は数年前から、なんとかしたいねとは話し合っていたんです。だけど、なかなかタイミングがなく、何から手をつければいいのかもわからなかった。今回、タカラベルモントからの提案でビジョンが一気に具体的になり、『これならやってみよう!』と決断に至ることができました。また、数をこなすことから、時間にも空間にもゆとりを持ったサロン運営へと転換することに決めたのには、密を避けなければいけないコロナ禍の影響が大きかったと思います」(鈴木氏)。
この店を育ててきたスタッフが、これからもこの店を愛せるように。スタッフが心地よく働きながら、お客様にさらに付加価値の高いサービスを提供できるように。リニューアルの成果は今、着実に実を結んでいます。
「まず、働く立場としてはリニューアルの効果をたくさん感じています。たとえば、ヘッドスパやトリートメントで長時間の施術も増えましたが、『W SWING YUME』にしたことでとても楽。移動も少なくなり、身体的負担もあまり感じなくなりました。
リニューアルをして約1年で、すでに客単価は1,000円ほどアップしています。他店との差別化も図りやすくなった上、プライベート性が高まったことでカウンセリングにかける時間も増やすことができ、よりきめ細やかなサービスの提案ができるように。そのことがスタイリストの指名にもつながるようになりました。お客様からも『今まで以上にリラックスできるようになった』と好評をいただいています。これからはこのリニューアルした空間やメニューを活かして、さらにオペレーションを見直し、時間単価アップに取り組んでいきたいと思っています。米沢市内にライバル店も増えていますし、お客様に選んでいただけるような付加価値をさらに高めていくことももちろん大切です。タカラベルモントと一緒なら、それもできるのではないかと期待しています」 (鈴木氏)。
「今回のリニューアルで、サロンワークがしやすい、働きやすい環境に大きく変化したと自負しています。今後はそれをお客様へのサービスに還元し、そして売上の向上へとつなげていく段階へと移っていかなければいけません。
タカラベルモントにはメーカーとしての機能はもちろん、経営課題改善のための提案や伴走ができるのも強み。お客様を囲い込めるような商材や、来店サイクルを管理、分析できるサロンPOSデータの提案などを通して、ふつき様の成長をしっかりと支えていきたいと考えています」(渡邊)。
「今回のリニューアルでは、最初から最後まで、しっかりとこちらの希望に寄り添ってもらえましたし、一緒にお店をつくり上げてもらったなという印象です。リニューアル後も機器のメンテナンスのために頻繁に訪れていただきますし、何かあればいつでも相談できる。そのあたりの丁寧さは、正直、はじめに期待していた以上でした(笑)。最初のご提案からすでに一年半以上が経ちましたが、すごく頼りにできる存在です」(小平氏)。
スタッフの幸せを想う渡邉オーナーと、お店を愛するスタッフの皆様、そしてタカラベルモントがひとつになって生まれ変わった美容室ふつき。これからも、いえ、これまで以上に、笑顔で働けて、多くのお客様をファンに持つサロンへと育っていくことを心から願っています。
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写真=今野貴之取材・構成=白井千遥(ももとせ)
美容室ふつき 店長
鈴木 美香
2002年入社。2005年より店長に。時代、お客様のニーズに合ったお店づくりを目指す。
美容室ふつき スタイリスト
坂野 茜
2017年入社。アシスタント業務を経て2021年にスタイリストデビュー。現在は技術、接客スキルを上げるべく邁進中。
タカラベルモント株式会社 営業担当
後藤 颯
2019年入社。サロンの価値を高めるためにサロンの強みとニーズを把握し、タカラベルモントグループにしか出来ないトータルサポート提案を行う。サロンと長く深い関係性を構築していくため、自身の価値向上にも尽力。
タカラベルモント株式会社 営業担当
渡邊 裕樹
2021年4月入社。お客様の事業繁栄、課題解決を意識した、タカラベルモントグループならではの総合提案を行う。お客様とより一層深い関係を築いていくために、初心と感謝を重視した営業を行う。
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