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夢への想いと行動力が叶えた、ロイヤルカスタマー型サロン経営への舵きり
概要
数々の難所を乗り越え満を持して開業するも、集客像が想定と違う——。あらゆる壁を乗り越え、トライアンドエラーを繰り返して開業から丸4年。現在は狙い通りのロイヤルカスタマー型サロンを実現。平均単価は約14,000円といいます。「10年間で10店舗展開」「スタッフの労働環境改善」を目指す美髪サロン「髪屋こころ」のオーナー・成田順一さんと、タカラベルモント 営業担当・黒岩直樹が、これまでの取り組みを振り返りました。
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【髪屋こころ】
開業:2018年3月住所:埼玉県さいたま市セット面:4席スタイリスト数:3名▼サロンコンセプト全メニューにケアメニューが含まれる、美髪を叶える完全予約制・マンツーマン型のサロン。▼課題前店からの引き継ぎ客の比率が高く想定通りの客単価が得られていない▼ソリューション内容タカラベルモントのPOSデータ分析を行いながら、経営セミナーに参加し、継続的なフォローアップにより、客単価UPに成功。現在はロイヤルカスタマー比率の高い経営を実現し、サロンのビジョンに向けて前進し続けている。▼タカラベルモント 担当者営業担当 黒岩直樹。サロンオーナーの想いに寄り添いながら、地域性やサロン独自の強みを活かし、サロンの成長をサポートするソリューションを提案する。店舗づくりの案件にも定評があり、各種デザイン賞の受賞サロンを担当。
開業から1年。想定顧客のロイヤルカスタマーは半分以下だった。
「開業から1年、売上も順調に推移していて、経営的に問題はないと考えていました。でもそれは肌感覚でしかなくて、可視化されてはいなかった。そこに、タカラベルモントさんがサロンのPOSデータをもとに分析したものを見せてくれたんです。当初、ロイヤルカスタマー*型のサロンを目指していたというのに、蓋を開けてみると半分以上が私の引き継ぎ客で単価が下がっていた。サロンではなく『私』の継続となると、当然『髪屋こころ』のコンセプトとは微妙にズレがあり、サロンのターゲティングにミスマッチが起きていることに気づかされました」。
「当時、サロンのメイン顧客は私の引継ぎ客であったため、本来迎え入れるべきお客様にシフトする必要がありました。そこで、改めてロイヤルカスタマーにターゲットを定め直すとともに、サロンに求められるサービスのあり方について緻密に考えました。さらに、一定の失客は覚悟で、メニュー体系やプライスを変更することで客層のシフトを進めました。『スタッフの労働環境改善』という最終目標に立ち戻り、お客様とスタッフのどちらを優先するか? という経営判断ですね」
「労働環境改善」のルーツは、異業種への転職経験
そんなサロン業界への情熱から再び美容師に転身。もう一度雇われ美容師として技術を磨きつつ、数々の難所をくぐり抜け開業にこぎつけたとのこと。
突破口は、メニュー・価格・緻密な体験設計
「より高い価値を提供すべく新たなセットメニューをつくり、全体のプライシングも引き上げました。これまでの価格帯で来ていたお客様は来店しにくくなるわけで、これらを踏まえて実行するというのは、なかなかの勇気と行動力ですよね」。
「開業時から、『髪から人生を豊かにする』というテーマがあります。普段自分の時間をつくれない方が、サロンでゆっくりお茶を飲みながら雑誌を読んだり、美容師にいろんな話を聞いてもらったり……サロンはただ髪を整える場ではなく、そうした「自分の時間を楽しむ場」として機能させたいのです。サロンから帰宅すると家族に優しくなれたり、仕事を頑張れたり……美容室内だけの体験に終わらないサービスを念頭においています」(成田氏)。
ポイントは、『お客様の負の感情をどれだけなくすか』。例えば髪の乾かし方の力加減、櫛で梳かす強さなど、ちょっとした違和感をどんなに小さくても1つずつなくしていく。メニュー構成も何度も考え試みては、反省もしつつ検討を重ねています。ケアメニューでは、化粧品ブランド「pittoretiqua(ピトレティカ)」の既存の使い方を元に独自の組み合わせや使い方を常連のお客様と試して、手応えのあったものを公式メニューに追加したり。成果が出るか、お客様の実感をもとにメニュー構成を更新し続けています」。
支店出店への道を、仕組みからつくる
成田さんが目指すのは、多店舗展開。現在は3名体制だからできても、スタッフを増やし店舗が増えた時のクオリティ担保の工夫が必要です。そこで、個々人の個性は大切にする前提で、高価値なサービスを下支えする接客マニュアルをつくり、感覚だけに頼らない再現性のあるサロン経営に繋げたいと話す成田さんに、黒岩はこう話します。
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写真=加藤甫取材・構成=原口さとみ
髪屋こころ オーナー
成田 順一
2007年、某美容室に入社。2012年に別業界に転職するも、2014年にもう一度サロン業界の道へ。2018年3月、埼玉県さいたま市に「髪屋こころ」を創業。タカラベルモント株式会社 営業担当
黒岩 直樹
サロンオーナーの想いに寄り添いながら、地域性やサロン独自の強みを活かし、サロンの成長をサポートするソリューションを提案する。ビジョンを叶える構想づくりとその具体化サポートに定評。
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