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case7:private salon Reboot様

受け継いだ店を、自分たちのスタイルに。
老舗理容室の再起動(Reboot)ストーリー

仙台からもアクセスが良く、宮城県のほぼ中央に位置する多賀城市。この地でお父さまお母さまの代から、およそ60年にわたって理容室を営んでこられた草刈さんご夫妻。小さなお子さんからご年配の方まで、地域の常連客とともに歩んできました。
しかし、時代の移り変わりとともに、先代の頃から通われていたお客さまが自動車免許を返納されて足が遠のいてしまったり、スタンドシャンプーの施術が身体に負担がかかるようになってきたりと、さまざまな課題も見られるようになりました。
そして何より、「理容師として“散髪”ではなく付加価値のあるサービスを提供したい」という想いが草刈さんの中で大きく育ち、リニューアルを決意。名称も「クサカリ理容室」から「private salon Reboot(プライベートサロン リブート)」へ改め、草刈さんたちの“再起動(Reboot)”が始まりました。
  • サロンの立地
    サロン周辺の様子
 【private salon Reboot】
開業:2023年6月 (リニューアルオープン)
住所:宮城県多賀城市町前
セット面:3席(シャンプー:3台)
スタッフ数:2名
 
▼サロンプロフィール
先代から理容室を受け継いだ時は、ミドル層やシニア層を中心とする地域の常連客が中心。時代とともにお客様も年齢を重ねていく中、リニューアルにより、お客さまへの接遇をより大切にできるプライベートサロンへ。長年の常連さんに加えて若年層の新規来店がふえ、店内の雰囲気は一新。ヘッドスパメニューや脱毛メニュー、ホームケア用品の店販なども拡充し、お客さまのニーズに合わせた付加価値の高いサービスの提供に力を注いでいる。
 
 
▼課題
□従来型の理容室から、転換をはかりたい。
□理容師として、ヘアデザインやヘアケアメニューを積極的に提案したい。
□スタンドシャンプーだけでは、ヘッドスパなどのメニュー拡充に限界がある。
□スタンドシャンプーは、施術する側の身体にも負担が大きい。
 
 
▼ソリューション内容
先代から受け継いだ店で、自分たちがこれから提供したいサービスを実現するために、メニューから抜本的に見直し。フルフラットでのシャンプーを実現する「YUME」シリーズを活かしたヘッドスパメニューや、「SHAVENON 5」を取り入れた脱毛メニュー、「LebeL ONE」を活かしたヘアケア・頭皮ケアの提案など、これまでの理容室の枠を超えた新しい価値提供にチャレンジ。顧客単価の向上だけでなく、若年層を中心に新規客がふえ、新規来店からのリピート率も上昇している。
 
▼タカラベルモント担当者
営業担当 盛田拓也。すぐには言葉にならない想いやご要望を引き出し、その本質を捉えてご提案するために、お客さまとの対話を大切にしながら営業活動を行っている。草刈さんとも何度も話し合いを重ね、信頼関係を築き上げてきた。

▼タカラスペースデザイン担当者
空間デザイン担当 布川博也。綿密なコミュニケーションを通じて、施主様の想いを丁寧に汲み取り、そこに訪れる生活者の快適さも考慮しながら、理想的な空間を創造することを信条としている。
 
【タカラスペースデザイン】
「美と健康」のための空間を創造。
美容室・理容室・エステサロンほか、歯科医院や医療クリニックなど、様々な専門ノウハウをもとに最良の空間デザインを提供しています。
 

60年つづく老舗理容室、再起動(Reboot)への一歩。

物心つく頃には、すでに先代が今の場所にお店を構えていたという草刈淳一さん。「自分と同じくらいの小さな子どもからおじいちゃんまで、ご近所さんたちが通ってくれる理容室でした。隣に並んで座ったお客さんが鏡越しに目が合って、“○○さん久しぶりだね”とご近所さん同士の挨拶が始まったりね」と、懐かしそうに当時をふり返ります。
  • private salon Rebootオーナー 草刈淳一さん
    private salon Rebootオーナー 草刈淳一さん
 「昭和の頃は短くするか、長めに残すか、お客さんのオーダーの仕方もシンプルなものでした。男はあまり髪を触るものじゃない、という武骨さが良しとされていた時代の風潮もあって、“ヘアデザイン”というよりも近所に散髪に来ている感覚のお客さまがほとんどでしたね」(草刈さん)   
 
ご自身も理容師の資格を取りながら、「これを一生の仕事にしていいのか」と進路に悩み、一度は企業に就職した草刈さん。しかし、ルベルが主催した研修旅行に参加し、ロンドンの有名サロンでトップレベルのカットを目の当たりにした経験を通して、「この仕事も悪いものじゃない、生涯続けていく価値がある」と決意を新たにします。
private salon Rebootオーナー 草刈淳一さん

 そんな草刈さんにとって、理容師としてお客さまのヘアスタイルをデザインしたい、という想いが、リニューアルの大きな動機のひとつになっています。

 
「ソフトモヒカンをアレンジして自分が考えたヘアスタイルをつくり、ポスターまでつくってお店に貼ったけれど、お客さまは“いつもの角刈りがいい”と(笑)。なかなか理解されませんでしたね。それでも、ただ前髪が伸びて邪魔だから切るのではなくて、髪型をデザインして格好良くなれば、毎日がさらに楽しくなっていきますよ、ということをお客さまに伝えてきました」(草刈さん)

 時代の流れとともに、若年層を中心にヘアスタイルを大切にするお客さまも増え、従来の店舗では合わない部分も出てきたといいます。
 

 「長年、スタンドシャンプーをメインにしてきたのですが、時代に合わせてお客さまが満足できるものに変えていかなければという課題感がありました。施術する側も身体にかかる負担が大きいですし、リアシャンプーでゆっくりリラックスした時間を過ごしていただいて、プライベートな空間で、その人に合ったヘアスタイルを提案して、気分をより高めてもらえるような、そんなサロンをつくりたいという想いが湧いてきたんです」(草刈さん)
 

話し合いを重ねて見えてきた、新しい空間の在り方。

 草刈さんがこれからの理容室の在り方について想いを巡らせていた頃、タカラベルモントの営業担当 盛田拓也が店舗を訪れます。
 
「盛田さんが熱心に話を聞いてくれるうちに、自分たちの提供したいサービスを実現するために、お店を空間や設備から変えようという気持ちが強まってきました。妻も“やってみようか”と背中を押してくれて、残りの理容師人生を考えた時にこれがラストチャンスだと思って、リニューアルを決意しました」(草刈さん)
 
「private salon Reboot」のRebootという言葉には、「再起動」という意味が込められています。
 
「父と一緒に働いていた頃も、父から店を継いでからも、自分なりにやりたいことをやってきたつもりです。1代目には1代目の、2代目には2代目のやりたいことがありますから、それを思いきって形にするために、この場所を“再起動”したいと考えました」(草刈さん)
 
草刈さんご夫妻の想いに応えるために、盛田はタカラスペースデザインの布川博也とタッグを組み、何度も打ち合わせに足を運びます。
タカラベルモント営業担当 盛田拓也
タカラベルモント営業担当 盛田拓也

 「ご夫婦がこういうサロンにしたい、という想いを強くお持ちだったので、僕たちが一方的に何かを提案するのではなく、逆に引っ張っていただいた感覚もあります。お二人の想いに対して、それならこういうこともできますよと提示して、対話を繰り返しながらお店をつくりあげていきました」(盛田)

空間づくりの当時を振り返る草刈淳一さんとタカラベルモント担当

「たとえば、これまで壁の無かった空間に間仕切りを設けて、個室化されたプライベート空間をつくることになったのですが、みんなで立ったり座ったりして、実際のお客さまの目線を確かめながら間仕切りの高さを決めたりと、一つひとつ話し合いながらベストな答えを見つけていきましたね」(盛田)

「これまで長年、お店の中に空間を遮るものが無かったので、壁で天井まで仕切ってしまうと閉塞感が出てしまいます。プライベート感と解放感を両立させるには、どの高さが最適なのか? みんなで体を張って検証しましたね(笑)」(布川)
 

タカラスペースデザイン空間デザイナー 布川博也
タカラスペースデザイン空間デザイナー 布川博也

「空間全体のカラーリングやトーンについても、リニューアルだからといって斬新なデザインをするというよりも、これまで長く通ってくださった地域の方々にも馴染んでいただいて、心地よく過ごしていただけるような、ナチュラルで落ち着いた色調で構成しています」(布川)

  • ナチュラルで落ち着いた色調の待合空間
    ナチュラルで落ち着いた色調の待合空間

これまで通ってくれた地域のお客様も、大切にしたい。

 店舗を一からリニューアルをする一方で、常連として通い続けてくださっているお客さまのことも大切にしたいという草刈さんたちの気持ちは、他にもさまざまな面で表れています。
 
シャンプーは、フルフラットになる「YUME」シリーズを導入し、ヘッドマッサージや頭浸浴などのリラックスメニューを新たに始める一方で、3つある個室のうちの1つには、スタンドシャンプーを設置。長年慣れ親しんだ形のほうがいい、というお客さまの気持ちも大事にされています。
  • プライベート空間でのリラックスメニュー
    プライベート空間でのリラックスメニュー
スタンドシャンプー専用プライベート空間
スタンドシャンプー専用プライベート空間

private salon Reboot 草刈真由美さん
private salon Reboot 草刈真由美さん

 さらに、物価高の影響を受けて値上げも珍しくない昨今の情勢もある中で、カットの料金はこれまでと変えず据え置き。その分、+αのメニューや店販の提案を充実することで、お客さまの負担を上げずに、付加価値を提供しています。

「この前、東京から帰省して来られた若いお客さまが、クオリティが高いのにお手頃ですねと褒めてくださって、主人も喜んでいました」と奥様が教えてくれました。

ヒゲ脱毛に新たな活路。新規来店のきっかけにも。

 リニューアルを機に草刈さんたちが新たに充実させたのが、脱毛メニューです。タカラベルモントの美容ライト脱毛器「シェブノン5」を導入して、ヒゲ脱毛や女性向けのフェイシャルケアの提供をスタートしました。
 
「理容室はヒゲにふれる機会が多いため、前々からヒゲを気にされる方が多いなという肌感覚は持っていました。脱毛にも興味があったのですが、盛田さんと話すうちに、その興味がさらに強まりました」(草刈さん)
タカラベルモント営業担当 盛田拓也

「若年層を中心に脱毛メニューのニーズが伸びているというお話をさせていただいて、実際にショールームにも足を運んでいただき、機器の使い方などもご案内させてもらいました」(盛田)
 

脱毛メニューの説明をする草刈真由美さん

脱毛メニューの施術を担当されているのは奥様。若い方がインターネットの口コミ情報を見て「脱毛できるんですか?」と来店されることもあり、新規集客にもつながっています。
 
「これまで、お顔そりをされていた女性の方で、フェイシャルケアの一環として毎月施術を受けに来られる方もいます。それから若い方にも興味を持っていただいていて、口コミを大切にしながら地道に発信を続けることで、新規のお客さまも増えているんです」(真由美さん)

新たなサービスメニューが若い世代の方々に響き、新規顧客が順調に増えてきた「private salon Reboot」。特に20代から30代 にかけての若年層の割合が高く、新規来店からのリピートも半数を超えているといいます。
 
「これまで常連のお客さまがほとんどで、先代から通ってくださっているお客さまがご高齢になっていく中、新しいお客さまが足を運んでくださるのはとてもありがたいことです。空間とサービスメニューが変わることで、お客さまの層も広がりました」(草刈さん)
 

接客から接遇へ。空間が変われば言葉遣いやサービスも変わる。

変わったのはお客さまの層だけではありません。草刈さんご自身の「サービス」への意識にも変化が表れているそうです。
 
「以前なら、学生のお客さまに対して○○くん、と呼んでいたのですが、今は年齢に関係なく○○さんと呼ばせてもらうようになりました。新しい空間が、自然と所作や言葉遣いを変えてくれて、接客から“接遇”へとサービスの質を引き上げてくれたと感じています」(草刈さん)
private salon Rebootオーナー 草刈淳一さん

「美容の話や、もっと格好良くなって毎日を楽しくするためにはどうすればいいか、という話が自然とできるようになりました。近頃では、理容師ですがスキンケアのことまで相談されたり、中高生から恋愛の相談をされることもあったりします(笑)。店が変わって新しくなって、自分たちも変われたような気がします」(草刈さん)

ホームケアの提案につながるショーケース

美容の話題が弾むようになったことで、店販製品の売り上げも自然と増加しているといいます。かつては漫画や雑誌を置いていたエントランスのスペースも、ホームケアの提案につながるショーケースに一新。

タカラベルモント担当と談笑する草刈淳一さん

 草刈さんたちが以前から目指してきた、理容師としてお客さまの日常の質を向上させる提案ができるサロンへと、「private salon Reboot」は見事に再起動を果たしました。

 さいごに、「いつまでも働けるような、長くつづくお店を目指していきたい」と笑顔で語ってくださった草刈さんご夫妻。お二人の第2の理容師人生は、まだ始まったばかりです。

  • 草刈さんご夫婦とタカラベルモント担当
  • private salon Rebootオーナー 草刈淳一さん

    private salon Reboot オーナー

    草刈淳一

    2023年6月リニューアルオープン。お客さまのニーズに合わせた付加価値の高いサービスの提供に加え、お客さまへの接遇を大切するプライベートサロンへとリニューアル。
  • タカラベルモント株式会社 盛田拓也

    タカラベルモント株式会社 営業担当

    盛田拓也

    2021年入社。お客さまとの対話を大切にし、すぐには言葉にならない想いやご要望を引き出し、その本質を捉えた提案を心掛けている。
  • タカラスペースデザイン株式会社 布川博也

    タカラスペースデザイン株式会社 空間デザイン担当

    布川博也

     2006年入社。コミュニケーションを通してお客さまの想いを丁寧に汲み取り、そこに訪れる生活者の快適性も考慮した空間づくりが信条。

関連製品・ソリューション

  • YUME SWING

    YUME SWING

    定点サービスでフルフラットシャンプーの提供が可能に。省スペースでのスマートで上質なプライベート空間が実現します。

  • SHAVENON 5

    SHAVENON 5

    コンパクトなボディに、高性能な光照射機能を搭載した「シェブノン5」。
    お客様一人ひとりの毛質、肌質に合わせてモードとレベルを細かく選んで施術できます。

  • LebeL ONE

    LebeL ONE

    美を生む力。
    幹細胞研究にインスパイアされたスキャルプ&ヘアケアシリーズ。

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