フリーの美容師としてキャリアを積んでいた時期に、突如として舞い込んだ居抜き店舗譲渡の提案。
開店に向けて準備を進めるも計画通りにいかず、店舗譲渡の目処が立たないまま時間だけが過ぎる日々。試算した利益予測は厳しい状況だったため、思い切って一から自分のサロンの開業へ舵を切ることに。
小規模サロン開業の夢を叶えた丸山オーナーと、事業計画から物件探し、サロンレイアウトや導入機器の提案まですべてをサポートしたタカラベルモントの営業担当・久原の、サロンオープンまでの軌跡を振り返ります。
【 haruchica 】
開業:2022年5月
住所:神奈川県横浜市港南区大久保
セット面:2席(移動式シャンプー機器:2台)
スタッフ数:3名(2023年9月時点)
▼サロンプロフィール
上大岡駅から徒歩約7分の場所にあるサロン。白を基調としたおしゃれな店内で、女性客のリピーターが多く訪れる。
丁寧なカウンセリングで、一人ひとりの悩みに合ったスタイリングを提案。オーナー自らマンツーマンで施術を行う、落ち着いた雰囲気のプライベートサロン。
▼課題
店舗譲渡による開業計画をサポートしてほしい。
▼ソリューション内容
譲渡予定であった居抜き店舗を調査し、家賃・諸経費を差し引いた売上を試算するも条件が合わず、別で一からサロンをオープンする計画を提案。
開業計画においては、物件探し・見積り作成・レイアウト提案・導入機器の提案まですべてを担当。開業後も継続してサポートし、初期の試算の約2倍もの売上成長を達成。
▼タカラベルモント担当者
営業担当 久原巧也。サロンオーナーの想いに寄り添いながら徹底的にサロンづくりをサポートしお客様に合わせたソリューション提案を行う。
元オーナーから譲渡予定の居抜き店舗で開業プランを計画
上大岡駅から徒歩約7分の場所にある「haruchika(ハルチカ)」は、白を基調とした落ち着いた空間で施術を受けられる、大人の女性に人気のプライベートサロン。経験豊富なオーナーがマンツーマンで行う丁寧なカウンセリングと、癒しをテーマにした居心地の良い雰囲気が人気を呼ぶ繁盛サロンです。
現在お店を切り盛りしているオーナーの丸山和秀さんは、haruchikaをオープンする以前、一駅離れたサロンで面貸しの施術を行うフリーの美容師でした。曜日によっては別のサロンで施術を行うなど、横浜エリアのお客様と多くのつながりを持っていました。
そんな忙しい日々を過ごす中、以前働いていたお店のオーナーから、「この店舗を譲渡するから、自分で経営してみないか」という話が持ち上がります。
「店舗譲渡のお話をいただくまでは、自分のお店を持つという選択肢は考えていませんでした。居抜き店舗を使用できることは、開業の初期コストを抑える意味でも大変ありがたいお話なので、素直に嬉しかったですね。自分の仕事のフェーズを一段上げる意味でも、このチャンスを掴もうと思いました」(丸山オーナー)。
店舗譲渡での開業に向けて準備を進める中で、知り合いからシャンプー台を譲り受ける約束をしていた丸山オーナー。シャンプー台の設置の相談をタカラベルモントに依頼したことで、営業担当である久原巧也との縁がつながります。
「店舗譲渡による開業計画と、シャンプー台の設置工事のご相談をいただきました。居抜き店舗による開業は、理美容業界にとってはよくある話。店内レイアウトや外装工事の自由度は多少下がるものの、美容室としてすぐに営業できる下地が完成しているのが強みです。当時はharuchikaを開業する計画ではなく、居抜きで譲り受けた店舗をどのように改装するべきかを話し合っていました」(久原)。
「当時は設置工事だけではなく、他のYUMEシャンプー台の導入相談もしていたんです。YUMEシャンプーの使い心地の良さは下積み時代からよく知っていましたし、将来自分のサロンを持ったときに入れたいと思っていた憧れのシャンプー台です。理想の空間づくりに強いこだわりを持つ私の願望を、嫌な顔一つせず聞いてくれるので、久原さんには何でも相談しやすかったですね」(丸山オーナー)。
条件を整理する中で噴出するさまざまな課題。居抜き店舗のプランを捨ててサロン開業の舵切へ。
オープンに向けて本格的に動き始めた丸山オーナーと久原。一見順調そうに見えた開業計画ですが、情報収集の過程でさまざまな問題に直面したと、丸山オーナーは当時を振り返ります。
「最初につまずいたのは、店舗譲渡のタイミングです。不動産の契約確認が甘かったこともあり、店舗を引き渡すタイミングや譲渡物の範囲が不明瞭になっていたんです。導入する機器の打ち合わせや工事の目処がなかなか立たず、本当に開業できるのか不安が募りました。
前オーナーからは店舗譲渡とは別の話として、『自分に面貸し用の席を一つ残してほしい』との相談も受けており、プランニングが本当に難しかったですね。タカラベルモントの不動産担当の方にも確認してもらったところ、譲渡契約の内容にいくつかの不備があることもわかりました。営業するための設備は整っていたものの、開業はなかなか一筋縄ではいかないなと感じました」(丸山オーナー)。
当時は横浜エリアを拠点に面貸し施術を行っていた丸山オーナー。久原が改めて居抜きで譲り受ける店舗の家賃や光熱費を細かく試算したところ、1ヶ月の利益が10万円にも満たないことが浮き彫りに。現実的に経営することが難しいとわかり、このタイミングで店舗譲渡は諦め、別の場所でサロンを開業する方向へ舵を切ります。
工事業者から「今の店舗を思い通りに改装するには、内装工事にかなりのコストがかかる」とアドバイスされたことも、サロン開業を決意する大きな後押しになったのだとか。
久原はこれまでの課題を踏まえて検討を重ねた結果、2つの施策を提案しました。
1つ目は開業資金を貯めるために、新店舗のオープンまでは施術場所を絞って売上を上げるという施策。売上に関しては、1つの店舗に集中することで改善が見込めます。
2つ目の施策は、新たにオープンする店舗の家賃を下げるために、小さなテナントを探すこと。新たなテナントは、アクセスの良さと家賃のバランスを重視して探しました。候補に挙がった上大岡駅は、1日の乗降客数約10万人の大規模な駅で、一定の集客を見込めるのはもちろん、昔からつながりのあるお客様も問題なく通えるはず。こうして、上大岡駅で10坪以下の家賃が安い物件探しがスタートします。
「物件探しにはかなり苦労しましたね。必要な条件を絞るために、久原さんに何度も相談してサポートしてもらいました。今店舗を構えている場所より気に入った物件もあったのですが、他の方に契約されてしまうなど、思い通りに進まないことも多くて…。ようやく見つけた今の店舗は、実は私が面貸し施術をしていた頃のお客様が紹介してくれた物件なんです」(丸山オーナー)。
新たに見つけたのは、わずか5坪ほどの小さな物件。譲渡予定だった居抜き店舗と比べて、家賃を3分の1ほどまで抑えることに成功しました。
「家賃を安くできたことで、小規模サロンとして現実的な経営計画の目処が立ちます。ただし、店舗のスペースはかなり小さかったので、導入機器の選定と内装工事が次なる課題でした。いかにして無駄のない動線を設計し、丸山オーナーが理想とする居心地の良い空間を追求できるか、タカラベルモントの営業担当として腕の見せ所だと思いました」(久原)。
具体的な資金・売上計画で見えてきた希望。コストを抑えて開業する理想のサロンづくりに奔走
当初の想定から大きくかたちを変えた開業プラン。しかし丸山オーナーは、内装やデザイン、お客様に提供する心地良い時間など、サロンの質には一切妥協したくなかったと語ります。現実的な店舗経営をプランニングしつつも、こだわりを詰め込んだ空間を作りたい。夢を叶えるために、丸山オーナーと久原の試行錯誤の日々が始まりました。
白を基調とした空間でリラックスして施術を受けられる空間に
「内装は女性が入りやすいお店を目指して、白を基調としたデザインにしたいと伝えました。加えてリアルウッドの素材感を重視し、ナチュラルで居心地の良い印象に。チェアは、久原さんの案内で何度もタカラベルモントのショールームに足を運び、コンパクトなリクライニング機能付きチェア「Vintage alt +」を購入しました。白やウッド素材と相性の良いベージュ色を選んで、統一感のある雰囲気を目指しました」(丸山オーナー)。
また、丸山オーナーが最も検討を重ねた動線設計に関しては、自分の中にあるイメージをなかなか言語化できずに苦労したという。工務店の設計士とのやり取りにも久原がサポートに入り、意思疎通とイメージの共有に尽力しました。
「店内の動線設計は特にこだわったポイントです。設計士さんに何度も図面の書き直しをお願いするほど熱が入ってしまい、久原さんからアドバイスを貰いながら進めました」(丸山オーナー)。
「動線に関しては後悔してほしくなかったので、丸山オーナーが納得するまでとことんやってもらおうと思っていました。あまりにも何度も修正の連絡が来るので、設計士さんが本当にオープンできるのかと不安になったそうです。『大丈夫。必ずオープンするから』とフォローしながら、丸山オーナーがこだわりたいポイントを的確に伝えました。今考えれば、両者の間を取り持つのが一番大変だったかもしれません」(久原)。
開業に向けて動いていた頃は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、席の配置や距離を綿密に計算する必要があったと語る丸山オーナー。わずか5坪という限られたスペースで、いかに快適な空間を創出するか。久原と共にあらゆる動線を設計段階からミリ単位で調整を続け、理想のサロンワークを可能にする図面に辿り着きました。
「サロン体験の要となるシャンプー台に関しては、移動式で収納も容易な「YUME OASIS」を選びました。当初はシャンプー台を2台置きたいと考えていましたが、この店舗のスペースでは厳しいことがわかったんです。移動式シャンプー機器の存在は知っていましたが、あくまでも最終手段というイメージで…。
久原さんが一度試してみてほしいと提案してくれたこともあり、YUME OASISを体験するためにショールームへ足を運びました。いざ自分で体験してみると、思っていた以上に楽な姿勢で寝心地の良さを実感できたんです。『今の店舗でお客様に最高の体験を提供するにはこれしかない』と確信を得て、導入を決断しましたね」(丸山オーナー)。
「YUME OASISの性能には絶対に喜んでいただけると自信を持っていたので、不安な点を少しでも取り除けるようにサポートしました。設計図に書き込みながら、実際に導入した際のイメージや注意点について細かく説明しました」(久原)。
決して妥協を許さない丸山オーナーの強い想いと、あらゆる課題に対して真摯に向き合ってサポートを続けた久原の伴走力。タカラベルモントとの二人三脚で歩んだ日々が実を結び、ついにプライベートサロンharuchikaはオープン日を迎えました。
ついに夢のプライベートサロンが完成。成功は次なる夢の足がかりに。
限られたスペースながら理想の間取りを模索し続けたharuchikaの内装は、丸山オーナーのこだわりをすべて反映した狙い通りの空間になりました。デザインはイメージ通りの白を基調としたナチュラルテイスト。お店のロゴと目隠しを兼ねた木板や天井を埋め尽くすドライフラワーなど、洗練されたインテリアも随所に盛り込まれています。
YUME OASISを2台収納できる設計により、セット面2席にそれぞれシャンプー台を組み合わせることが可能に。久原と共に最後まで検討を重ねて完成した店内レイアウトは、動線設計が最適化されていて使いやすいと、従業員からも好評の声が挙がっているのだとか。まさに小規模店舗に必要な要素をすべて兼ね備えた、プライベートサロンの理想形と言える空間が完成しました。
おしゃれな店販棚には女性のお客様を意識した商品を配置
来店されたお客様からいただいた評価もかなり高く、心地良い空間で髪の悩みやスタイリング方法を相談できるようになったと評判に。最近は新しい女性のお客様がリピーターになるケースも増えているようです。
店販棚の商品を拡充したことも売上アップにつながり、当初試算した売上予測よりも約2倍近い売上を達成しました。
初期費用をなるべく抑えるプランで開業計画を進め、見事成功を収めた今回の小規模サロン事例。タカラベルモントのサポートの満足度について、丸山オーナーは前向きに語ってくれました。
店舗譲渡の話があったときは、自分独りでやるしかない状況で本当に不安でした。当時は美容師として自分の店を持つつもりもありませんでしたから。
「久原さんをはじめタカラベルモントの皆さんのサポートは大変心強く、開業に向けて日々奮闘するモチベーションになりました。haruchikaをオープンできたことは、さまざまな人の縁に恵まれて、自然に導かれたのだなと感じています。特に久原さんのアドバイスがなければ、移動式シャンプー台を導入する選択肢にも出会えなかったと思います。現在は美容師2名とパート1名のシフト体制で施術を行っています。効率的な動線のおかげで2席埋まっていても施術しやすく、とても助かっていますね」(丸山オーナー)。
今後はサロンPOSのデータ分析や、顧客情報に合った商品の拡充に取り組み、発展性のあるサロンワークに取り組む予定だそうです。最後に丸山オーナーは、タカラベルモントに対して嬉しい声を聞かせてくれました。
「自分のお店でYUME OASISの使い心地を体感できたことで、最近ではさらに充実したサロン空間を作りたいという欲求が出てきています。将来的には2店舗目をオープンして、YUMEシャンプーを導入するのが次の目標ですね。リラクゼーションサロンというカタチでお客様の悩みを解消しながら、ヘッドスパなどのメニューを増やしたサロンづくりができればいいな、と思っています。
もし次の店舗をオープンする場合も、ぜひタカラベルモントさんに依頼したいですね。物件探しから内装工事まで徹底的にサポートしてくれるタカラさんなら安心ですし、やはりフルフラットになれるYUMEシャンプーを導入したいです。お客様もよりリラックスしていただけますし、働く側としても使いやすいですから」(丸山オーナー)。
YUME OASISは元々、haruchikaのような小規模店舗のために生まれた製品でした。YUME OASISと出会ったおかげで丸山オーナーの意識が変わり、「将来はYUMEシャンプーを導入できる、もっと広い店舗をオープンしたい」という新たな夢のストーリーにつながったのです。
伴走型の営業で売上試算から土地探し、内装工事の取りまとめ、製品導入まで徹底的にサポートし、小規模サロンの夢を掴み取った開業事例となりました。タカラベルモントは店舗の規模やサポート内容に関わらず、これからもお客様に寄り添いながら理想のサロンワークを追求し続けます。
haruchica オーナー
丸山和秀
2022年5月、横浜市港南区にharuchicaを創業。丁寧なカウンセリングでお客様の悩みに寄り添い、思いをカタチにしてくれるリラックスサロン。
タカラベルモント株式会社 営業担当
久原巧也
2016年入社。サロンの想いに寄り添いながら顧客視点でサロンづくりをサポート。
YUME OASIS
YUMEボウルの快適性とOASISのフレキシブル性で、セットブースでさまざまなメニューが施術できる、ハイクオリティな定点オペレーションがおこなえるシリーズ。
Vintage alt + a1601S
リクライニング可能で、スタイリングチェアとしてだけでなく、シャンプーにもお使いいただけます。
お客様やスタッフなどサロンに関わるあらゆる人の体験設計の視点を大切に、機器・粧材・空間設計・技術教育・経営相談などサロン経営をトータルでサポートしています。
ぜひお気軽にご相談ください。
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