初めての幹部ミーティング /「教えて!澗口さん」経営者五代は考える! 開業10年目には何をなすべきか / タカラベルモント サロンオーナー経営講座

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第4回:
第2回ミーティング


狩野君から、事前に聞いた話では10サロンの経営者の方がお話しするセミナーがあり、美容室関連が6つでメンズサロン関係が4つ。その他に大きなイベントもあるらしい。20年以上売上を上げ続けているサロンの話や、スタイリストだけでのサロン経営や、ママさんだけで運営しているサロン、男性の客単価を8,000円以上にしているメンズオンリーサロンやスタッフが辞めない理容室、SNSを活用して新規集客をしているサロン。アシスタントをケアリストにしてスパや、更に発展させてエステやネイルサロンを作ったという話などがあるそうだ。それぞれのサロンの話に興味が湧く話だ。

第2回ミーティングは、羽田君とまず昼ごはんを一緒に食べることにした。独立を考えているといっても、そんなに真剣な思いがあるわけではなさそうに感じた。今まで勤めていたサロンでは、先輩が結構独立していったこともあり、自分も当然何年かしたら独立するのだろうという漠然とした思いのようだ。真剣に“経営”としての開業を考えてもいい時期だと思うし、仮に彼が独立しない場合にもこのサロンで活躍できる仕組も作っていくことも必要かもしれないと考えるようになった。


そうこうするうちに、チーフの飯田さんが入ってきた。この前、『一緒に食事でも』と誘ったが、お昼はたまには一人でゆっくり食べたいと断られてしまった。

「おじゃまします。おいしい食事召し上がれました?ケーキ楽しみにしていますよ。 そろそろタカラさんいらっしゃる頃ですね。」

「13時半だからそろそろ来てくれるんじゃないかな。飯田さんは休みの日はどんなことしているの?プライベートのことだからあまり聞いてはいけないのかもしれないけどね。」

「そんな隠すようなことはないですけどね。できるだけ今流行っているお店とかには行くようにしていますよ。『なぜこのお店流行っているのか?』には興味ありますしね。
えっちゃんやあっちゃんも都合が会えば一緒に行きますよ。そんなに高いところには行けませんけど・・。彼女たちもそんなにお金使えさせられませんからね。でもお客様と話すときの話題にはなりますから。
羽田君もそういうところに行ってる?お金掛からないからってゲームだけやってたら駄目だよ。外に出なくちゃね。」


「お店にある雑誌なんか読んで興味はあるんだけど。お金は貯めておかなくっちゃいけないと前の店の先輩に言われていたからね。無駄なお金使わないようにしてるんだ。」


営業の狩野君が来てくれた。大きな鞄を持ってきていた。
「すみません!時間、遅かったですか?」

「大丈夫だよ。こちらは先に打合せしてたからね。お昼食べてきた?」

「お約束が13時半でしたので、ちゃんと食べてきましたよ。お休みの日に時間取っていただいてありがとうございます。」

「夜仕事終わってからよりいいだろう?」

「ありがとうございます!大事な話ですから、夜でも大丈夫なのですが、できたらお昼の時間のほうがありがたいです。」

「そりゃ良かった。今回は、私1人のつもりだったからこの日にしたんだけど、その後に、今ここにいる2人が参加してくれることになったんだ。今後の打合せは相談だな。彼らの休みも大事にしていかないといけないからね。
紹介しておこう。チーフをしてくれている飯田さんとスタイリストの羽田君だ。彼らの意見も取り入れていこうと思うのでよろしく。」


「よろしくお願いします」

名刺交換が終わり、コーヒーと本日おすすめケーキがテーブルに並べられ、いよいよ打合せが始まった。早速パンフレットが並べられ説明を始めることになった。
パンフレットを眺めていた3人は、しばらく内容をじっと見ている。ケーキには手もつけていない。

「すごいイベントですね。会場もこんなに広いところでやるんですか?是非行きたいですよ!オーナー是非連れて行ってください!」

「すごい!こんなイベント初めてかもしれないですよ。オーナー是非行きたいです。
費用は当然会社持ちでいいですよね。そのあたりよろしくお願いします!」


「2日間もあるんだ。経営関連のセミナーをメインにするつもりだけど、いろいろあるから目移りしてしまうな。2人にも経営セミナーには参加してもらうつもりだから、まず行ってもらうセミナーを3つは選んでほしい。それを優先してほしいので、狩野さん、先に経営セミナーについて話をしてくれますか?」

「それとね。彼らと話をして気づいたんだけれど、スタッフの給与を上げて行きたいのはもちろんだけど、働きがいのあるサロンにして行く事を考えなくてはならないとも思っているんだ。スタッフが楽しく働いていながら売上が上がっているサロン事例があれば教えて欲しい。スタッフの待遇を良くするためには“一人当たりの生産性”が大事なのはよく分かっているんだけど、残念ながらうちの店は、そこまでいっていないんだと思う。」

「今回出演いただけるサロンは、全てそのあたりはクリアできていると思います。
まずは出演されるサロンについて分かる範囲でお話します。もっと知りたいと思われるのであれば、出演サロンの担当者に確認取りますから。

出演サロンは複数店舗を経営されているサロンが多いのですが、スタッフが多いサロンということは、スタッフのマネージメント関連が上手くいっているはずです。オーナーのところは、今スタッフの人数構成はどうなっているのですか?」


「スタイリストは、私も含め、今ここにいる2人を合わせ3人、女性のアシスタントが2名で5名だね。」

「分かりました。ありがとうございます。今回のセミナーでは、改装、支店出店を絡めたお話が多いんです。オーナーのところでも、今後改装もお考えとお伺いしていますので、そのあたりのお話からしていきます。
女性スタッフが多いサロンでは、お店を辞める理由が、結婚だったり、出産だったりすることが多いはずです。一旦辞めてしまった方がまた同じサロンに戻ってくることも多いのですが、今までと同じ仕事内容は、時間的にも難しくなります。特に小さな子供さんがいる場合は、そうですよね。
今回のAサロンでは、ママさんだけで運営するサロンを作ったお話です。せっかく美容師の免許を持っているのに、違う仕事に就かざるを得ない方も多いので、ご自分の得意とする仕事に就けるのはすばらしいことだと思います。
働いている、あるいは子育てをしている女性のお客様を集めて、女性ならではの“共感”できる環境を提供することができていて、かなりの高単価サロンを実現されているそうです。こちらにも飯田チーフをはじめ女性のスタッフの方がいらっしゃるので、このあたりのお話は参考になると思います。
次は、エステ、ネイル、ヘッドスパなどの仕事で、高い生産性をあげているBサロンのお話です。このサロンでは、ヘッドスパをサロンの”強み”にして、スパニストを育成することでスパの価値をしっかりお客様に伝えることで、スパの高単価メニューに移行させていたサロンなのですが、今回のお話は、スパニストだけに留まらず、お客様が持っている“潜在的なニーズ”にエステ、ネイルメニューがあることに気づいておられ、カットしないスタッフでも、スタイリストと同等あるいはそれ以上の売上を上げることができるはずと、そうした専門サロンをお店の近くに出店されたお話です。従来のアシスタントの役割を大きく変えていき、売上を上げることができる仕組ということになります。経験年数の少ないスタッフでも売上を上げることができる、サロンの売上に貢献できているという“自身の存在価値”を認めてもらえる仕組にしていることだと思います。続けていいですか?」


「どうだい?二人とも?」

「女性にとっては、いろいろ可能性が拡がる話ですね。受講候補ですね。面白そうですね。この2サロンは、女性オーナーですか?」

「男性オーナーです。」

「男性オーナーですって!五代オーナー!」

「女性オーナーの話はあるのかい?」

「前回の時は、女性オーナーが多かったのですが、今回は次にお話しするCサロンが女性スピーカーです。女性オーナーのお店なのですが、お話されるのは、スタッフの方2名になっています。このパンフによれば20年以上売上を上げ続けている女性だけで経営されているとのことです。スタッフの方がお話されるということは、女性スタッフが活躍できる環境があり、おそらく長く勤めることができる環境があるのだと思います。
それにしてもそんなに長く売上を上げ続けているということは、お店を大きくしようと考えていたわけでなく、スタッフが増える仕組があり、働きやすい環境があることで、お店が自然に大きくなったようにも思えますね。詳しい話は、担当の営業にもっと詳しく確認しておきます。私も是非この話は聴いてみたいと思います。」


「女性が経営して、女性スタッフだけのお店ですか?それでこんなに大きくなったのですか?」

「一人当たりの生産性が80万円を超えているそうです。かなりすごいサロンですよ。この業界で話題になっている、社会保険にも加入しないと人材が集まりにくいということもクリアできているのでしょうね。」

「私、このサロンの話をじっくり聴いてみたいです。オーナー、いいですよね。
もっと詳しい話を仕入れてきてくださいね。」


「俺も興味あるな。このサロンの話。女性オーナーなんだよな。すごいなぁ! どの話を受講するのかをみんなで振り分けて担当しなければならないかな。」

「続きを聞いてから決めなくてはいけませんね。えっちゃんとあっちゃんもいくつかのセミナーに連れて行きたいですね。」

「女性が活躍している話が多いですね。男性が活躍している話はないのですか? 男は、やっぱり経営者にならないといけないのかなぁ。」

「男性が活躍しているサロンは、残念ながら新規独立開業や、支店の店長という役割が多く、そういう場合は、どうしても男性経営者的活躍としか表現できないの現状なのでしょうね。頑張ってあたりまえっていう感じかもしれません。今回お話いただく方の多くは男性経営者ですしね。
次に紹介しようと思っていたのが、新しい経営ともいうべきDサロンのお話です。
ひょっとしたら羽田さんに聴いてもらえる話かもしれません。羽田さんはスタイリストですよね。このサロンでは、アシスタントがいないんです。つまり全てのメニューを最初から最後までご自分一人で行う価値をテーマにしているそうです。
普通美容室では、カットからシャンプーブースへ移動することや技術メニューごとに担当が替わるのが当たりまえと思われていますし、実際そういうサロンが圧倒的に多いはずです。ここでは、“今までの当たりまえ”を180度変えて成功したお話だと思います。お客様にも“スタッフが変わらない価値”を求めている方も多いということなのでしょう。
ここでは、“サロン利益”を最重要にしているそうです。つまり美容室のアシスタントをサロン利益を落とす“コスト”としているのです。ここにはアシスタントの方がいらっしゃらないのでお話ができますが。こうすることでスタイリストはご自分の売上は、自分だけが稼いだ売上ということになります。1人のスタイリストに1人のアシスタントがつけば、ご自分の売上は2人で割らなくてはならないわけです。五代オーナーが最初にお話された生産性を上げるということは、売上をスタッフ全員で割る計算になるわけですから、月100万円上げたとしても、1人で上げたのか2人で上げたのかで生産性では半分になってしまうことになります。ですからスタイリスト1人で同じ売上を上がることができる仕組があれば当然会社の利益が増え、スタッフの方の還元率も上がる仕組ということなのです。
羽田さんにはもう一つ参考になるかどうか分かりませんがメンズオンリーサロンのお話はどうでしょうか?」



狩野さんのお話はなかなか終わりません。続きは次号でお話します。


(次回につづく)