カルテの重要性、活用術 | <コラム>理容業の復権!楽しく、ゆったり、リッチに! | タカラベルモント

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【売上を上げるヒントその3】
カルテの重要性、活用術


ヘアークリエイティブサロン ヤスムラ /安村 彰浩 氏

約2年程のセミナー活動で多くのサロンのオーナー及びスタッフの方に受講して頂きましたが、意外にカルテが有効に利用されていなかったり、ひどい例ではカルテがなかったりする事に驚かされました。
これからのビジネスでカルテ管理なしはありえないことです。
カルテは顧客のデータバンクです。

  1. テクニカルについての情報ツール
  2. お客様との距離を縮める為のコミュニケーションツール
  3. オプションメニュー及び店販品の販売促進ツール

沢山の利用法はありますが、少なくともこの3つは、カルテ管理で使えるツールです。
普通は前回の来店日を見て話の内容を確認するぐらいでしか使われていないようですが、攻めのツール(道具)として重要な役割を果たします。

私のサロンではカルテはハイブリッド管理しています。単に サロンポス と紙カルテの併用なのですが、来店周期の計算や DM の為のデータは サロンポス で、技術や会話等を紙カルテで把握しています。
デジタルとアナログを上手く融合させる事でより使い勝手の良いものになります。


【紙カルテの活用方法】

カルテは月別あいうえお順で整理しています。
少し面倒ですが、来店が遅れたりするお客様が実際カルテを見て判断できるので対応が早くできます。

カルテには一目で多くの情報が把握出来るメリットがあります。
サロンポス があれば来店周期を簡単に把握出来ますが、無いサロンは来店日を利用して、まずお客様の周期を知る事から始めます。
よく聞く話が、「頭の中で覚えているから必要無い」という言葉ですが、本当に全員のお客様をしっかり記憶できているとは思えません。
少なくとも、前回の来店日が分かることで、おおよそのスタイルを再現出来ると思います。これもテクニカルツールとしてのメリットです。

重要な事は同じスタイルを再現する為の情報を記録するだけではなく、なぜそのスタイルになったというプロセスを記録する事により、スタイルチェンジの提案やカラーやパーマの提案に繋がる材料になるのです。
したがって、私のサロンでは記入には、消せるボールペンか鉛筆を使用します。
常に変化するお客様の要望に対応する為です。


距離を縮める為のツールとして記入は、家族構成、出身、仕事など個人情報に関する事や来店中に会話した内容を記入します。
次回来店された時に会話のスタートが違うことによって、お客様に喜んでもらえます。
どのお客様も、気に入ったサロンであれば、少しでも早く常連客としての対応を望んでいると思います。

担当スタッフが覚えているのは当然ですが、他のスタッフと情報が共有されている事により、お客様はより高いレベルの満足が得られます。


販売促進のツールとしての記入としては、過去に経験した嫌な事や、今までの経験上無理だと思っているが、やってみたい事 などを記録しておくことです。
それにより、より良い提案の手助けとなります。


●硬毛でショートヘアーのお客様
          → 好きでショートにしているのか? サイドが張るので仕方なく短くしているのか?
●天頂部の髪が少し薄くなっているお客様が、少し伸ばしたい
          → スタイル的に伸ばしたいのか?薄毛をごまかしたいのか?

今のスタイルが100%満足しているお客様は少ないと思います。
素人の方が表現できないニーズをプロとしてどう引き出してあげられるかが重要です。

客単価の上がらないサロン、顧客の定着率の悪いサロンはそのあたりの意識が弱いのではないでしょうか?

店販品の購入履歴を記録する事により、お客様の利用頻度がわかり、次回のおすすめがしやすくなります。
挙げればまだまだありますが、日々の積み重ねが大きな力となって売上に貢献する事を信じ、面倒くさがらずにトライしてみて下さい!


ヘアークリエイティブサロン
ヤスムラ /安村 彰浩

(兵庫県西宮市)
安村彰浩氏プロフィール
ヘアークリエイティブサロン ヤスムラ オーナー。現在はご両親・オーナーご夫婦・スタッフ3名と共に店頭に立つ。 経営学に関心を持ち、BJR会(経営セミナー)を主宰する傍ら、セミナー講師を務めるほど知識には定評がある。