まもなく10年目。改装を考える。 /「教えて!澗口さん」経営者五代は考える! 開業10年目には何をなすべきか / タカラベルモント サロンオーナー経営講座

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第1回:
まもなく10年目。改装を考える。


五代はある地方都市の繁華街に近い住宅地に25坪ほどのお店を構え10年目を迎えようとしています。3年前の最盛期には7人いたスタッフも独立や結婚などで現在は5名体制で運営することになり、現在自分も含め3人いるスタイリストの1人も何年か先には独立も視野に入れている様子です。スタッフの募集はしていてもなかなか集まりません。2人いるアシスタントの1人はそろそろスタイリストにしていかなくはなりません。

先日、藤代さん(フジシロ=Fさん)にアドバイスを求められてカッコいいこといってしまった関係もあり、真剣に“改装”を考えなくてはならない時期に来ていることは自覚しています。

では、どうするのか?
漠然と考えているだけでは、考えがまとまっていきません。

『藤代のお店は、かなり順調に売上を伸ばしているようだ。今度酒でも飲んで話を聞いてみてもいいかな。』

『俺は5年前はどうしていたのかな?』
と思い出してみることにしました。

『5年前・・・、スタッフが7人になっていたよな。売上の順調に伸びていたよな・・このままどんどんスタッフが増えてなんて考えてたよな。だから今まで通りにやっていけば大丈夫なんて考えてなかったか。イケイケどんどんって感じだったかもしれない・・俺が頑張ればみんなついてきてくれるし、このままでいいと思っていたよな・・』

『俺もすでに41歳。厄年だよ。それも本厄・・・。』

『そういえば、藤代のところも今5人だよな・・・どんなことしたのかなぁ・・・同じことしてもうちで上手くいくとは限らないしなぁ。でもなんかヒントあるかもしれないし、一度お店も見てみてもいいかな。連絡してみよう。』


次の日の朝さっそく電話しました。

藤代さんは、「是非来てください。休みの日より仕事しているところを見て欲しいです。前とずいぶん変わりましたよ。自分でもお店の雰囲気が本当によくなっていると感じますよ。

五代さんお時間とれますか?時間取れるようでしたいつでもいいですよ。いつにしましょうか?」

「仕事終わってからですか?最近、夜は終わる時間を早めるようにしてきて、結構早めに終わってしまいますよ。木曜日だけはまだ少し遅くまでやっていますから、木曜日はどうですか?いいですか?今週でも、来週でも。8時までには来れますか?では来週でお待ちしています。その後、一杯やりましょう。車では来ないでくださいね。」


来週ならOKだと言い電話を切ったあと・・・。
『何か前より活き活きしてないか?なにがどう変わったのか?いろいろ話が聞けるかもしれない。

お客様の予約は大丈夫だよな・・?来週だからまだ予約もなくて大丈夫だ。予約は、前日とか、当日に入ることが多いからなぁ・・。予約なしで来るお客様もまだ多いなぁ。』

『そういえば、ずっと前からそうだよな。このあたりも変えていかなくてはならないのか・・。

なんかもったいぶって、今週じゃなくて来週の木曜日にしたけど・・、別に今週でも良かったんだよな。藤代がなんか自信たっぷりで話すから圧倒されたよな。あちらのペースになるのがいやで来週にしちゃったのか・・。』
と何かひとり言。

『改装かぁ・・。新規客も少なくなってきているし、やらなくちゃいけないよな・・』
『改装するといくらかかるんだ?以前開業したとき、内装で1000万円以上かけてたよな。
器具も含めると1500万円以上用意しないといけないかもな。タカラの人に相談してみてもいいけど、最近来てないよな。誰がうちの担当だったっけ?ディーラーさんに相談してもいいけど、改装だしな・・。最近売上も上がってないし、新しい商品も紹介してくれてもほとんどチーフ任せで、俺が新しいものは必要ないからといっているから店長もあんまり真剣に聞いていないようだし・・。とりあえず、俺が真剣に今後のこと考えてみないといけないなぁ。』


次の休みの日に、この9年間の売上から、経理の書類をじっくり調べてみようと決めました。


休みの日です。

藤代さんに会うまでに、自分のサロンのことしっかり掴んでおかなければなりません。ですから今日やることは、売上推移の把握、経費関連の書類をじっくり見ることです。

漠然とは売上を掴んでいたつもりでしたが、よく見ると7年目まで順調に売上が上がって利益も増えていたと思っていたのが、5年目と6年目の利益は下がっていたことに気づきました。何故かな・・とじっくり帳簿を見てみると、スタッフを1名づつ増やしていました。その人件費関連の費用が上がったことと、新規集客関連の広告宣伝媒体を変更したことで経費が大きく増えていました。

『5年目は、そういえばスタッフは多いほうが仕事が楽に回るからって考えていたし、これから新規客を増やすことが必要になるからと思って集客サイトに大きな費用をかけるようにしたな・・。確かに新規は増えたから、客単価は下がるのは仕方がないと思っていた時期もあったな・・。

7年目は売上はそんなに上がっていないけど利益が増えたのは、途中で1人辞めたからか・・。
8年目に利益が上がったのは、売上が上がったからじゃなくて、一人結婚退職したことが理由か。売上と利益か・・。そんな話を藤代もしていたな。

今まで勢いでやってきて何とかなると思っていたけど、実態をもう一度見直すとだんだん不安になってきたな。藤代がキッカケでしっかり考えることができてよかったのかな。
そういえば、今年のカラーキャンペーンが上手くいかなかったのを、去年は成功したのになぜだとキャンペーンを勧めてくれたディーラーの担当者に嫌味を言ったけどそうでないかもしれないなぁ・・。よし、今日から改善にむけ活動開始だ!』


もう一度、帳簿関連を見直しました。
それから分かった数値を箇条書きにしました。

開業当初から3年間は、売上は順調に伸びており、客数も客単価も伸びていた

開業当初 スタイリスト2名(男性×2)とアシスタント1名(女性)でスタート

売上げ
 1年目 1,050万円(客単価7,200円)
 2年目 1,600万円(客単価7,300円)
 3年目 1,800万円(客単価7,500円)
 4年目からは、スタッフ増員し売上UP ただし客単価は横ばいから下降傾向
 4年目 2,000万円(客単価7,600円)
  アシスタント1名入社で4名体制
 5年目 2,200万円(客単価7,600円)
  アシスタントがジュニアスタイリストに。アシスタント1名採用 5名体制
 6年目 2,600万円(客単価7,400円)
  男性スタイリスト1名採用 6名体制
 7年目 2,800万円(客単価7,300円)
  女性アシスタント1名採用 7名体制
 8年目 2,700万円(客単価7,300円)
  スタート時からいたスタイリストが独立 6名体制

 9年目 2,700万円(客単価7,300円)
  4年目に入社したアシスタント1名が結婚退社 5名体制
  男性スタリスト2名、女性スタイリスト1名、女性アシスタント2名


この9年間の売上はほぼ順調に推移していたように思っていたし、一時売上が下がったのは、開業から一緒にやってきた今田君が独立したことが原因とわかっていたので仕方がないことだと思っていた。

しかし、俺の10年後を考えた場合、俺は51歳になっている。長女のかなえも成人式を迎える歳になっている。このままでは駄目だ。もっと真剣に経営を勉強しなければならないのではないかと考えるようになっていた。

『どうしたらいいのか。何から始めればいいのか。改装もただの改装では駄目だ。しっかり売上が上がる改装をしなくてはならない。俺は今まで何をしてきたんだ。』

自問ばかりしている自分に気づき、今からできることは何か・・もう一度、藤代君のことを考えた。あいつと一緒に行ったセミナーがあった。確か経営セミナーだったはずだ。

1年以上前だったよな・・と去年とその前のスケジュール帳を見直してみた。一昨年の2月のセミナーだった。その内容はタカラさんが主催している大きなイベントに出演された繁盛サロンの紹介セミナーだった。藤代君はこのセミナーで刺激を受けたサロンがあったともいっていたものだ。俺もメモをとっていたはずだ。スケジュール帳の後ろのほうに書いた記憶がある。
ノートのメモ欄には 「繁盛」 「コンセプト」 「強みをつくる、活かす」 「あたりまえをあたりまえにする」 「利益を考える」⇒「給与」 「社会保障」 「一人当たり生産性 時間生産性 上げる」 「マネージメント・やる気引き出す・コミュニケーション力」の文字が書いてあった。

『言葉自体は分かるが、これがどんな脈略で書いていたのかが今はまったく分からない。』

いい話だったからメモをとったが、今まで一度も見直さなかったから忘れてしまっていた。

『なんという不覚だ。今のやり方でいいと思ってたから、いい話だと思っても全然自分のサロンとは別のいい話と思っていたのかなぁ・・・』
ノートのメモ欄には 「繁盛」 「コンセプト」 「強みをつくる、活かす」 「あたりまえをあたりまえにする」 「利益を考える」⇒「給与」 「社会保障」 「一人当たり生産性 時間生産性 上げる」 「マネージメント・やる気引き出す・コミュニケーション力」の文字が書いてあった。

『言葉自体は分かるが、これがどんな脈略で書いていたのかが今はまったく分からない。』

いい話だったからメモをとったが、今まで一度も見直さなかったから忘れてしまっていた。

『なんという不覚だ。今のやり方でいいと思ってたから、いい話だと思っても全然自分のサロンとは別のいい話と思っていたのかなぁ・・・』

本も読まなくてはとも思うが、もう一度こうした内容を聞いてみるのもいいかもしれない。
これからは『即。行動!』をモットーにやっていこう。

気力だけは充実した休日だった。

(次回につづく)