第13回:お客様アンケートを作成/「教えて!澗口さん」 Fさんの事例[開業5年。売上の伸び悩みを解決したい] タカラベルモント サロンオーナー経営講座

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第13回:
お客様アンケートを作成


Cさんから【お客様アンケート】の内容が届きました。




Cさんが作ったアンケート文面からは、今後このサロンがシャンプーメニュー・サービスをさらに良くしていくためにお客様の意見を聞きたいという事がうまく伝わる内容になっていると思いました。

日ごろのシャンプー技術だけでなく、お客様のシャンプー姿勢などについて不満に感じていることも聞きだせるものになっています。もし不満に感じているお客様が多ければ、今のシャンプーブースをYUMEシャンプーに変えるというキッカケになるかもしれません。
また、お客様が困っている事とあわせて、頭皮ケアやヘッドスパの興味についても聞いています。
このアンケートを記入するとしたら、自分だったら、メニューが4つあると、無難に真ん中あたりの②、③の少し高めを答えるだろう・・。アンケートに答えるお客様も自分と同じ心理で、つい真ん中あたりを選んでくれるかもしれない。

それに、カラーで痒みを感じる方が多ければ、これから導入する炭酸泉メニューを実際に提案する時のいい材料になります。

このアンケートなかなかすごいじゃないかと思えてきます。

Aさんは、Cさんにたずねました。

Aさん:
「この内容すごいと思うけど、どうやって考えたんだ?」



Cさん:
「私ね、実は大学で社会心理学の勉強していたので、それを応用しただけなの。少しびっくりしたでしょう。内緒にしてたからね。
大学を出て、単に一般企業に就職するより、自分で何か経営をしたいと考えていてね。昔から女性をきれいにすることには興味があったから美容室の経営も面白いかなって。
このお店を選んだのは、Fさんがお店を開く前にいたお店のお客さんだったの。開業するって聞いたから、是非Fさんのサロンで勉強したいからとお願いしていたの。開業時から関わっているほうがノウハウ分かりやすいでしょう。

私も早くカットができるようになってスタイリストになろうと急いでいたんだけど、ちょうどいいタイミングで炭酸泉の話がでてきて、ヘッドスパメニューも視野に入ってきたし、“ケア”という意識もお客様にとって大事な要素になってきているように感じるし、お客様にいろいろ意見を聞くのはすごく大事だと思ってたから、聞くことを準備していたの。文章が長すぎてもいけないし、直接頭皮ケアやヘッドスパを聞いてみるだけでは、売り込みみたいで、本当のこと書いてくれなんですよね。

価格について聞くときには、施術に掛かる時間という観念も大事なんですよ。
新しいメニューを勧める時でも、興味のないお客様は『高いから・・』という理由では、断りにくいにくいでしょう?『時間がないから・・』という逃げ道も用意しておいてあげないといけないの。だから、アンケートでも時間とくっつけたわけ。

もうひとつは【極端性回避の法則】というのがあってね。購買心理のことなんだけど、3つ以上あると無難に真ん中を選ぶ心理が働くというものなんだけど、知ってますか?松竹梅の法則ともいってね。スーパーの特売にも結構使われているですよ。
スーパーなんか仕入れ量が大事だから、一番沢山仕入れて利益が出るものを真ん中の価格帯においていることが多いのよ。そのために、上の価格帯と下の価格帯のものも用意するのですって。でも安ければいいというお客様も増えてきているから仕入れる商品も大事になりますよね。やはり、ある程度価値のあるものでないと、この心理も上手くいかないってこと。
でも“炭酸泉”や“ヘッドスパ”は付加価値メニューになるから、この購買心理も上手くいくはずよ。」


Aさんは、初めて聞く話ばかりだけれど、気持ち的にはなるほどと肯くことばかりです。

Aさん:
Cさんはそこまで考えて作ってくれたんだけど、お客様の心を操作しているみたいで・・・。お客様の本音、つまり本当のことが聞けるの?」


Cさん:
「操作しているのは、ヘッドスパのところだけでしょう。【極端性回避の法則】というのは、上から21:57:22の法則ともいってね。続けていくと、この数値にどんどん近づくの。沢山のお客様に聞けば、聞くほどこの数値に近づくから、Aさんが言っていた、アンケートを3ヶ月続ける意味はそういうところにもあるの。結果的にはお客様の本音がちゃんと聞けることになるの。
3ヶ月あると同じお客様に何度も書いてもらうんだけど、『1回書いたからいいでしょう?』というおっしゃる方もいらっしゃいますよね。でも『いいお客様のご意見は是非反映させていただきたいので宜しくお願いします』と必ずお願いしなくてはいけないのですよ。このサロンの、いいお客様の声が反映されるシステムが一番大事でしょう。」


Cさんは続けます。

Cさん:
「それと炭酸メニューは、お客様に“ケア”の重要性に目覚めてもらい、興味を持ってくれたお客様にさらにヘッドスパにステップアップしてもらうメニューとしての位置づけが良いかと思って。だから、アンケートの項目は炭酸メニューではなく、その先を見て「ヘッドスパ」にしたの。

FさんAさんが今回のテーマにもしている、Bさんスタイリストデビューを成功させる件ありますよね。Aさんも理解してもらっていると思っていますが、ヘッドスパをBさんデビューの目玉にしたいんです。

まずは、今来ていただいているお客様にしっかりお伝えして、“ヘッドスパ”をお店の“強み”にしたいんです。そのヘッドスパという強みを求めるお客様をBさんが担当する新規客として獲得していくのです。
そのために、カットとカラーと新トリートメントや炭酸泉やヘッドスパを組み合わせた8,000円から12,000円のセットメニューを4~5つ作ってBさんのスタイリストデビューメニューとして発表するのです。組み合わせて少し安くすることで“お得感”も演出できます。
新トリートメントとしているのは、今まであるメニューで行うと実質的な値引きになってしまいますし、従来のお客様のほうが価格的に高くなって逆さまになってしまい、これはどう考えてもおかしいですよね。“新しい商品”やメニューだったら影響受けないでしょう?それに、Bさん自身も言っていたように、Bさんには既存のお客様ではなく、新規のお客様を獲得していってもらわなくてはならないですものね。
アンケートのカラーへの質問はその布石でもあるのですよ。そのための質問なんですよ。」

Aさんは、今まで自分がずいぶん悩んできたことをずばりいってくれるCさんに圧倒されました。でも悩んできて自分なりに考えたこととほとんど一緒だということにも気づかされました。
日ごろからしっかりサロン経営ということを考えてお客様と接触していたCさんはすごいとも思いましたし、Fさんが経営会議という名目で自分に経営を考えるキッカケを作ってくれていた事も理解できました。
Cさんとの話で(ほとんどがCさんの話でしたが)、自分が考えてきたことは間違っていないし、従来のA案だけでなく、B案までステップアップした提案をFさんにすべきだと判断できました。

Dさんが作ってくれている“いいお客様”への提案についても、Cさんの意見を聞いてみようと思い、Cさんにたずねてみました。

Cさん:
「先ほどのお話と重なると思いますが、“いいお客様”は“優良顧客”ともいいますね。そうした優良顧客に特別感を与えることはとても大事なことらしいです。これは本で読んだだけですけどね。
本ではロイヤルカスタマーと書いてあったんですが、お店のファンのお客様を増やすことで、経営は安定し、成長するんだそうです。
ファンのお客様だからこそ、こちらが提案するいい情報、新しい提案を受け入れてくれて、もっとお金を使ってくれる可能性が高くなり、さらには、そのお客様に近い感覚のお客様にも話をしてくれるんだそうです。
だから、まずはうちのファンのお客様へ新しいメニュー、今だと炭酸メニューの施術を受けてもらうことが大事だと。少しくらい安くしてでも、まずは体験してもらえれば、その良さは絶対分かってくれますし、その良さを他の人にも伝えてくれるわけですから、そういったお客様には絶対体験してもらわなくてはなりませんよね。
少し安くする意味はAさんが考えているとおりだと思いますよ。無料にするのがいいのか半額がいいのかは判断できませんが、正規の価格にした際に、絶対リクエストしてくれるのであればいくらでもいいのではないでしょうか?Dさんがそのあたりしっかり見ているはずですから、彼女の意見に従ってもいいのではないでしょうか。是非そうしましょうよ。
Dさんも一生懸命関わってくれていますから、彼女のモチベーションも上がりますよ。」


たしかDさんは、“いいお客様”には無料でしてあげるべきだといっていたよな。他のお客様は半額としても、その区別は彼女の作ったリストで分かるのだろうか。メニューを勧めるとき“差別感”が出てこないのか、どうやって提案するのかは今後の課題だと感じながら、ここは自分で最終的に決めないとな、と新たな決意をしました。

Aさん:
Cさん分かったよ。そのあたりはDさんの意見を最優先にする。また分からなかったら相談するよ。
技術面のスケジュールについてはどうなってるの?」



Cさん:
「スケジュールについては、タカラベルモントの担当の方と打ち合わせ中ですが、あちらのスケジュールにうちが合わせる形になるはずです。ヘッドスパまでの講習を3ヶ月以内で組む予定です。前にも言いましたように、私とDさんが技術担当ですが、Fさんも含め全員で参加することはOKですね。最優先ですからね。」



Aさん:
「それは大丈夫!Bさんも自分のことが掛かっているからね。」



Cさん:
「では、よろしくお願いします。それと私が今話したことは、Aさんが考えたことにして進めてくださいね。Aさんは経営幹部ですからね。
Aさんのヘア技術、尊敬していますから、これからもどんどん教えてくださいね。まだまだこのお店で頑張らなくてはならないのですから。よろしくお願いします!」


この場はこういった話で終わりました。

次回は、Dさんと“いいお客様”についての相談です。


(次回につづく)