第11回:Fさんへの提案資料作成 2/「教えて!澗口さん」 Fさんの事例[開業5年。売上の伸び悩みを解決したい] タカラベルモント サロンオーナー経営講座

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第11回:
Fさんへの提案資料作成 1


AさんFさんに伝える資料を作成することにしました。
1つは、炭酸泉のメニューをすべてのお客様に提案、利用してもらうことで単価を上げ、売上を上げる。そのためにはシャンプー台2台に炭酸泉を設置するというもの。(A案)
2つ目は、今後のヘッドスパ導入に向けてシャンプー台も同時に変えるというもの。(B案)
この2つの案を提示し、最終的にFさんに決定してもらうという資料です。


まずはA案から。これがB案にも通じる基本となる考え方になるはずです。

この前のみんなとの話し合いでのメモを再度確認することにしました。【価格】【時期】から考えることにします。【価格】は、単なるメニュー提案で終わらないためにもしっかり考えなくてはなりません。
メモには次のように書かれていました。

【価格】
Bさん:500円で全員に1,000円にして絞り込む
    カラー、パーマのお客様には最初から1,000円(500円は必要なし)
    Bさんのデビューに合わせ“組み合わせ価格”を設定してほしい
Cさん:500円でお試し、3ヶ月後に1000円にする
Dさん:いいお客様にはサービスで提供。あとはCさんと同じ


【時期】
BさんCさん:練習後、すぐにメニュー化
Dさん:体験メニュー(無料体験、全員でなく“いいお客様”から“特別感”を提供する)



みんなの意見を上手くまとめることができないかとAさんは考えています。
500円か、1,000円にするのか、どのタイミングで提供するのか。誰の意見を取り入れるのか。何とも難しいのです。
これがチーフとしての仕事なのか、最終的に自分がまとめるしかないわけです。
今までこんなことを真剣に考えたことがないし、考えようもしなかった自分が少し情けなくなりました。でも1週間でまとめてFさんに報告することが必要なのです。これもいい経験だと前向きに捉えていくしかありません。

まずは、自分の売上が落ちた原因を新規客のリピート率が低かったこと“いいお客様”の失客という2点で考えてみることにしました。それらの大きな理由がお客様に感動を与えられないことであり、しっかりお客様に向き合っていないことでの“失望”を与えてしまったことでした。
だから“新しい”メニューとして“炭酸泉”導入をすることをみんなで決めたわけです。まずは自分にとってどうしたら自分の売上を上げることができるのかから考えてみることにしました。

“いいお客様の失客”ということであれば、自分のいいお客様にはちゃんと『いいお客様だと分かっていますよ』というアピールするためにはDさんが言っていた“特別感”を提供するほうがいいわけだし、これはFさんにも当てはまるはず。他のお客様に失礼にならないようにしなくていけないことも考えると正式にメニュー化する前に案内する方法がいいように思えてきました。

正式な価格は1,000円以上は確保したほうが売上を上げるためにも有効だし、カラーとパーマの場合はそれ以上の価格設定があってもいい。
すべてのお客様に500円で提供することはいいことだが、“いいお客様”に“特別感”を提供できるだろうか?そのためにはどうしたらいいのだろうか?そうした“いいお客様”に事前に告知することができれば問題がないのではないだろうか。これはDさんに相談してみよう。

Bさんのデビューとのタイミングと新メニューとの関連も考えなくてはなりません。
この新しいメニューが、Bさんのスタイリストデビューを成功に導けるのか。
Bさんが言っていた【組み合わせメニューとスタイリストデビュー】。Bさんが成功するためには、Bさん自身のお客様を集めなくてはなりません。今いるお客様をBさんのお客様にすることがダメな事は、以前の失敗でよく分かります。
デビューしたときには、新規客は増えていなくてはなりませんから、今いるお客様との摩擦をさけるためにも、このときはスムーズにメニューを回せる状態になっている必要があるということ。このためには少なくともデビュー2~3ヶ月前には導入設置されていなくてはなりません。

今いるお客様のメニュー価格と新規客のメニュー価格は同じでいいのかどうか?
新規客を集めるためには“魅力的な価格”はあったほうがいいはず。しかし、新規客用の価格を設定すると、優良顧客よりも新規客の価格の方が安くなるという“逆転現象”がおこってしまうという問題をどう解決するのか?これも考えなくてはなりません。
Bさんのいう“組み合わせ価格”は、有効に働くのかどうか?
安く見えてもしっかりその理由が示せるものであればいいのではないか。Bさん限定のメニューであればいいのではないだろうか。
セットメニュー事例として
 ①カット+炭酸泉
 ②カット+カラー+炭酸泉
 ③カット+パーマ+炭酸泉
は考えられる。これにトリートメントを加えるとあと3つ、将来ヘッドスパを加えるとさらに3つメニューが増える、いろいろな組み合わせでもっと増やすことも可能になることに気づきました。
これをBさん用のメニューとして作ってみればいいのではないか。
新しいメニューだと、お試し価格にしたとしても売上はプラスになるし、お客様が気に入ってくれれば正規な料金でさらに売上が上がる。カラーもパーマもいい商材があれば新しいメニューとして提案できるかもしれない。そうすれば今までのお客様への影響も少ないかもしれないし、新規集客の魅力になるかもしれない。

Bさんの新規集客のためのメニュー・・・これは面白いかもしれない。メニュー表やチラシの作成も提案してみよう。メニュー内容はBさんにも相談してみよう。
新規開業しているサロンのメニューも参考になるかもしれない。お店のホームページなどもいくつか参考にしてみよう。
これは、まず今のお客様へメニューをしっかり決めてからにしよう。

Aさんは、まず決定しなくてはならないこととして下の2点を書いてみた。
 ①【告知期間】と【お試し期間】の設定
 ②【価格】の設定(お試し価格と正規価格)


①【告知期間】に関しては、設置日が決定した段階で“いいお客様”への告知を行う。
(・・・これは決定としていいとメモ)
<検討課題>
 1) “いいお客様”は、どのように絞り込むのがいいのかを検討する。
 2) 告知方法は、何がいいのか
【お試し期間】に関しては
<検討課題>
 3) みんながいう3ヶ月間でいいのかどうか。もっと長い設定がいるのか。
 4) すべてのお客様を同じと考えていいのかどうか。

②【価格】設定
【正規メニュー金額】は、1,000円とする(これは全員同じと考えてよい)。
<検討事項>
 5)カット以外のメニューはどうするのか、カットと同じでいいのか?

【お試し金額】
<検討課題>
 6)お試し金額は500円でいいのか(あるいは無料か)。
以上6つの検討課題が出てきてしまった。

なかなか簡単には決まらないなぁ・・・これが今のAさんの心境。


1)2)は、まずはDさんと打ち合わせをしよう。彼女は、いつも“いいお客様”に関する考え方をしっかり持っているので、いい考えが聞けそうだ。
3)は、3ヶ月間としたほうが良さそうだ。みんなの意見と同じということではなく、Bさんのスタイリストデビュー前に終了させることで、新たに新規集客の“組み合わせメニュー”に取り組むほうが正解だと思われる。これはFさんには、しっかりとした理由を作っておかなくては。
4)の期間については、3ヶ月間の実施でも、来店周期の短い“いいお客様”は、2回以上このメリットを受けることができるはずである。
いいお客様ほど恩恵を受けられるという、いい差別化ができることになる。
5)カット以外のメニューに関してはBさんの“組み合わせメニュー”導入時に考えればいいのではないか。
6)お試し料金に関しては、基本的には500円でいい。ただし、1)2)にも関連するが“いいお客様”に関しては、“特別無料設定”で“特別感”を味わってもらうことが必要だ。


以上の6点を整理すると、まずは明日にでもDさんに“いいお客様”に関することを打ち合わせをしよう。
また、Bさんには、“組み合わせメニュー”をどう考えているのかを5日以内に提出してもらおう。Cさんには、炭酸泉の教育スケジュールを作成してもらおう。これも5日以内にお願いしよう。
私(Aさん)は、この投資に掛かる費用と投資回収のための売上UP計画を作成することにしよう。

これでA案に関するテーマは一通りできそうだ。

B案は、ヘッドスパ用のシャンプー台の導入も伴うので、A案プラスさらに投資が増えることで、さらにステップアップする売上計画が必要になるはずだ。これには、【炭酸泉】プラス【ヘッドスパ】プラス【Bさんデビュー】の3つの要素をしっかり組み合わせた売上UP計画が必要になる。
A案をまとめながら、B案もまとめなくはならない。
簡単に考えていたが、実際作業に入ってみるとこれは大変だ。
B案をまとめるにはCさんにも協力してもらわないと。ヘッドスパメニューの導入計画を、Cさんと再度打ち合わせをしよう。

B案に関しては、今後売上を上げ続けるためには、炭酸泉+ヘッドスパへの流れが絶対必要だということをしっかり説明できなくてはならない。
感覚では、このタイミングで設備を導入したほうがいいとは思うのだが、これをしっかり説明するためには何かが不足している。何だろうか?

みんなの前で威勢のいいことを言ったものの、本当に上手く提案書作成できるのか不安になりました。

設備投資はダメだとはFさんは言っていませんでした。
Fさんに正式に報告する前に、一度相談してみようか?
経営者はどう考えるのか?
事前にA案だけはしっかりまとめておこう。



次回はFさんに事前相談です。いわゆる“根回し”ですね。


(次回につづく)