第8回:全員で新メニューの体験へ/「教えて!澗口さん」 Fさんの事例[開業5年。売上の伸び悩みを解決したい] タカラベルモント サロンオーナー経営講座

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第8回:
全員で新メニューの体験へ


スタッフミーティングの翌朝、AさんAさんに昨日の報告をしました。
まずは売上UPの件、Aさん自身の売上UPに関しては、次回の経営会議で詳しく報告をすること。ただし自分の20万円UPは充分達成できるはずであることだけは報告しました。
また、全体で40万円上げることに関しては、全員で取り組むことで確認できたこと。そのために新メニュー開発に前向きなこと、特にCさんがお客様の意見としてやはりケアに関する興味があり、今回のケアメニュー開発に積極的なことも伝え、全員で3週間後の体験会に行くことになったことを報告しました。
それにもう1つ、体験会後に食事会を開催してほしいこと、そしてできるだけ早く、できたら食事会の意見交換でFさんには結論を出して欲しいことを伝えました。
Fさんは、Aさんの報告を聞き、即答ですべてにOKを出しました。

食事会の会場は、Cさんを中心に決めておいて欲しいと伝えました。
「今回は特別だから費用は気にしなくていい」とも付け加えました。

いよいよ体験会当日です。ショールームに到着です。たくさんの椅子が並んでいます。またシャンプーチェアも何種類も置いてあります。まるで大きな美容室にいるようです。

今回の体験会は1時間。

まずは、取り扱いの説明と、“炭酸泉”やこの製品の特徴を教えてもらいました。

早速体験開始です。施術側とお客側の2組に分かれることにしました。AさんBさんをお客様として、CさんDさんが施術側になりました。

Fさんは、みんなの体験をみているのと同時に、用意されていた【サロン事例集】に目をやりました。この機器を導入して成功しているお店のレポートです。その事例のいくつかを読んでみました。Fさんが気にしていたのは、導入後の価格設定と、どうアプローチをするのかということでした。最終決定は、みんなの意見を聞いてから決めることにしていますが、Fさんは導入するつもりでいました。このレポートを自分の鞄にしまいました。

そのときです。体験しているスタッフから歓声とも悲鳴とも聞こえる声が起こりました。そちらに目をやるとガラス容器に入っている“水”がかなりにごっていました。これをみんなが見て声をあげていたのです。「こんなに汚れが見えるんだ!」「すごい!」という声が聞こえてきます。

この反応は、お客様に確認してもらえばインパクトが与えられるな。みんなも導入に前向きになってくれると確信することができるものでした。みんなが積極的に導入したいと言わなければ前に進めません。

体験はまだ続きます。メンバーがそれぞれ入れ替わりました。

CさんDさんは、施術側から、お客様側へと立場が変わりました。施術者として実感できた『汚れの除去』についてお客様側ではどう感じるのか?という疑問を持って臨みました。お客様に分かってもらえなければ上手く勧められないかもしれないと考えたからです。
二人とも真剣に取り組んでいるようです。
せっかくいいものを導入してもそれを活かすのも活かさないのもお店側の取り組み次第です。新しいメニューは、どのお客様に、どのタイミングで、どうやって勧めるのかが大事です。

Fさんは、みんなの取り組みを見ながら、メニュー価格や、どういうタイミングで提案するのかについての意見を、どのようにみんなから引き出すのかを考えることにしました。CさんDさんが先ほど気にかけていた「お客様側にどう分かってもらうか?」は重要で、彼女たちが納得する答えを今回見つけてくれることができれば、上手く勧められそうだと思っていました。

Cさん:
「普通のシャンプーとほとんど変わらない感じですね。黙ってシャンプーされているとまったく気づかないかもしれませんね。」

「やっぱり最初にしっかり説明しないとだめですね。このメニューがお客様にとっていいものだと思ってもらわないと施術してもらうことも難しいかもしれません。先ほどのシャンプーした時の『汚れ』は、インパクトが強烈でしたからあれを使えるといいですね。私のも是非確認させてください。」

Dさん:
Bさんすみません。シャンプーしていただいてありがとうございます。シャンプー中には、違いは分かりにくいですね。“ピュア髪”というのは、シャンプー後に分かるのでしょうか?シャンプー後とブロー後に違いが分かるかもしれませんね。」

4人の体験が終わりました。今、それぞれ髪を乾かしているところです。

男性2人は、簡単なタオルドライをしただけで施術側に替わりましたが、いつもと少し感じが違うのかなと思えました。

女性のCさんは、自分の髪を洗い流した“水”が汚れていることに再び驚くと同時に、がっかりもしました。
「いつもちゃんと洗っているのになぁ。でもこれってお客様も同じように感じるはずだから、しっかり説明してあげなくてはならないことだし、髪の毛や頭皮のことを気にしている人が多くなってきているから、チャンスかもしれないなぁ。」と考えていました。Dさんも何か納得したような感じを持っているようでした。
女性二人は、顔を合わせて「髪の毛軽くなった感じ!」「これなら絶対納得してもらえる!」と声を揃えました。

DさんFさんに声を掛けました。
Dさん:
Fさんは体験しなくていいのですか?」


Fさん
「お客様に説明するように、提案するようにやってもらえるかな。」


Dさん:
「今説明するのですか?うまくいかないかもしれませんがやってみます。」


Fさん
Cさん、一緒に聞いてくれるかな?」


Dさん:
「●●さま、先日ご来店いただいたときに髪の毛が重く感じるのはなぜ?ってお尋ねになっていらっしゃいましたよね。その時には、季節柄こんな方が多くなっているようですってお答えしていましたが、普通のシャンプーだけでは落ちない汚れがあるんです。今回新しく導入した“炭酸泉”効果で、しっかり髪の毛と頭皮の汚れを落とせます。私も体験して初めて知ったんですけど、本当にびっくりするくらい落ちるんですよ。そして髪も軽くなるんです。是非お試しください。ではシャンプーさせていただきますね。」


Dさんは自分が体験したことをFさんではなく、あるお客様の●●さんに話すようにしています。人から聞いた話をそのまま話すよりずっと説得力がありそうです。自分がいいと思っていれば説得力のある話ができるということです。これには辛口コメントのCさんも納得です。

Dさんが続けて
Dさん:
「失礼かもしれませんが、どのくらい汚れが取れたか見てください。びっくりされますよ。」


とガラス瓶の“水”をチラッと見せました。

Fさんも●●さんになりきり、「ウアァ」と声を出しました。「見せ方を工夫する必要はあるかもしれないが、使えそうだ」と考えました。

Dさん:
「驚かれました?実は私も初めての時は本当にびっくりしました。でも先ほどの話、本当でしょう?では続けていきますね。あとで乾かしたら、さらに驚かれますよ。」


こうして全員の体験が終わりました。全員が納得した形で終了しました。

「これはいけるかもしれない。」これが全員の感想です。
後の食事会で最終決定をすることになります。

その前にFさんは、Aさんと簡単な打ち合わせをしました。
Aさんももちろん納得しているのですが、食事会でのリーダーシップはAさんに取ってもらわなくてはなりません。そのための確認です。

Fさん
「どうだった?みんな納得しているように見えるが、経営的に考えた場合、何が良くて、何が問題だと思う?」


Aさん:
「経営的にですよね。例えはメニュー単価をどうするのか。どうアプローチして、どうしたらリピートしてくれるメニューになるのかということですよね。」


Fさん
「どんなお客様に提案するのか。一部のお客様のメニューにするのか、ほぼ全員にアプローチするメニューにするのか。それともう一つ、スタッフのみんなが全員で取り組めるものかどうか。CさんDさんの売上アップとモチベーションアップにつながるかどうか。スタイリストデビューするBさんにとって、どうやったら有効に活用できるかということも考えなくてならない。」


Aさん:
「私は、全員のお客様にアプローチをしてみる方法をとりたいと考えています。ですからシャンプー2台につけることをお願いしたいと考えています。私たち全員が感動したようにお客様の今の求めているものに合っていて、お客様も感動してくれると思えます。
このメニューをベースにして単価アップも図れると思えるのです。金額は500円アップにするのか1000円アップにするのかは今は判断できませんが、絶対イケます。CさんDさんもお金をもらうメニューの方が自分たちの売上も上がるわけですから、モチベーションも上がるはずです。それにお客様に感動してもらえることもプラスになるはずです。

今回は時間がなかったので、カラーやパーマにおける効果は分かりませんが、こうしたメニューにも使えるはずですから、私やFさんにもプラスに働くはずです。Bさんのスタイリストデビューに合わせて、こうしたメニューも加えていくというのはどうでしょうか。」


Fさん
「確かに面白い案だね。アップする金額についてはこれから考えよう。2台入れるとしたら【投資と回収】も考えてみる必要がありそうだ。プラス面だけで考えているが、マイナス面はどうだろうか?いいことばかりで進めて行っていいものだろうか。何か気になることはないのかな?」


Aさん:
「そうですね。今回の体験でいいことばかりという感じでだったのですが、もっと冷静に考えてみなくてはなりませんね。ここでのシャンプー機器とうちのシャンプー機器は違いますし、同じことをお客様が感じてくれるかどうか分かりませんしね。このメニューは、必ずしも新しいものというわけではありませんから、ほかのお店との“違い”をどう演出するのかも考えなくてはなりませんね。うちのお店しか知らないお客様にとっては“新しい”ことかもしれませんが、新規で来ていただいている方にはそうでないかもしれませんしね。」


Fさん
「その点について、どう“違い”を作るか、食事会で確認してほしい。Cさんが以前話していた『ヘッドスパ』に発展できるものかどうかも考えなくてはならないだろう。開業して5年経過したわけだから、やはりある程度の投資は必要かもしれない。」

「いずれにしても、具体的には、次回の経営会議で決定しよう。みんなを待たせるわけにはいかないから、食事会でみんなの意見を聞くことにしよう。進行はAさんに任せる。とりあえず導入の方向で進めてくれ。私は意見を挟まないから。じゃ出発しよう。」




次回は、食事会の様子をお伝えしましょう。




(次回につづく)